「色節」(いろふし)・・晴れがましい行事。
東京都大島町、大宮神社。
その神社の参道は、一之鳥居をくぐるとすぐに険しい階段となって本殿へと続いていく。
7歳になる娘は七五三で、今日は晴れの着物に身を包んでお宮参りだ。
最初は階段を駆けるように上っていたがすぐに足取りが重くなった。
私は娘と手をつなぎ一緒に階段を上る。
一歩。よいしょ。また一歩。
やがて群生する椎の木が光を遮り、静寂が存在感を増してきた。
ここまでくれば、あとはもう少しだ。
しかし、私は、まだ着かないで欲しいと思った。
娘の手を握ったままもう少し歩いていたかったのだ。
7歳まで、あっという間だった。
20歳までは、さらに早いのだろう。
振り仰ぐと樹々の隙間から、黄金色に輝く海が見えた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?