自分が「クリエイティブな仕事」に向いているか?
結構沢山の人が、就職活動をするときに「クリエイティブな仕事に就きたい」と考えているんじゃなかろうか。
1.学生時代のクリエイティブ欲と現実
私もそうで「マーケティング室」に配属される可能性大と踏んであるメーカーに入社したんだけれども、マーケティングと言っても数字の仕事ばかりで、部署はいろいろと渡り歩いたけれども。普通の人が考えるいわゆる「クリエイティブな仕事」とはほとんど無関係に生きてきた。
チャンスはあったけど、それをつかめなかっただけなのかも知れない。
ただ、学生時代に根拠なく抱いていた「自分は特別な存在だ」という感覚は、会社勤めの中で削がれに削がれていったってのは事実だ。
2.既存企業が求めるマーケットとは?
で、まあ多くの会社というのは新卒学生の採用募集をしていて、広く人材を募っているわけです。
そういう会社はソコソコ以上の規模であることが多い。販売網も割と広い。製品であればいわゆる「マス・プロダクト(大衆向け製品)」を扱っている場合が、比較的多いわけです(もちろん例外はあります)
そういった会社におけるマーケティングというのは「より大きなマーケット(ターゲット)」を狙ったものですね。「お子様から大人まで、家族全員で楽しめる」みたいな。私に言わせればそんなものターゲティングでも何でもないんですが(なんにも考えてないだけだろ!)
ただ、マチュアな(昔からある)業種であればあるほど、そういう風に、つまり「より大きなマーケット(大きなパイ)」を求める傾向にありますね。業界全体の市場が縮小傾向にあれば、なおさらそっちに傾く。
これが既存の中堅~中小企業の限界であって、資本に余裕のある大企業じゃなければ「今は存在しない市場を開拓しよう」なんて考えない。何年も赤字で、10年後か20年度に黒字転換するような事業に手を出す中小企業はないでしょう。そういうことが可能な中小企業があった場合「よっぽど生産性の低い企業」か「労働分配率の低い企業」ってことで問題だとすら思えてします(もちろん例外はあります)
3.「マーケットを広く見せる」という稚拙な戦術
話が逸れましたが、企業は多くの場合「市場(マーケット)≒ターゲット(購買見込人数)」を広く規定したがります。なぜかというと、売上は「単価 x 購買人数」だからです。
どこでも(例えばAmazonでもコンビニでも)売られているマスプロダクト(大衆向け製品)の場合、相場観が既にあるため単価は大きく変えられません。
そのため「いかに購買人数を増やすか」が本題になります。
社内におけるプレゼンテーションでも、営業部の商談においても「マーケットが大きい」ことが重要視されます。
しかしこれは論理的なのでしょうか?中途半端な製品開発で、ターゲットに認識されなかったら?類似品が多く、飽和状態になってカニバリズムを起こしたら?マーケットの大部分がパテントを持った他企業に押さえられていたら?
そういったリスクファクターを考えた場合、マーケットが大きいというだけで製品をそこに集中投入する、というのは必ずしも賢明とは言えません。
4.マーケットを具体化できる人間は、組織から離れた方が良い。
いきなり過激なタイトルになるんですが、そもそも「マス・プロダクト」の新商品需要というものは今、もうすでにないんです。ノスタルジーと惰性で売られている、ほんの一握りの製品たち。私はそれらを愛しいと思いますが、私を含めた多くの人が「それらがなくなっても」困りません。
既存の企業が、既存の製品開発ルール(マーケットの大きい部分を狙う)の下に新商品を生み出しても、よくてポテンヒットってところでしょうか。
結局、今までの定番商品に押しのけられるだけです。
一方で「今この時点で、そういう商品/サービスはないが潜在的なマーケットはあるはずだ」という、ちょっと頭がビートルジュースな人の発想が提示されることはあるのです、たまに。
ただ彼の頭の中はアレなので、企業内の会議でまともには扱われません。
でも彼には夢があります、というか自身の経験に基づいた「市場の存在に対する確信」があります。
ただ彼の会社は既存の価値観に囚われていてビートルジュース脳の提案に対し、ベテルギウスの意に反して「NO」という判断を下すわけです。
もしあなたに「マーケットの存在」についての確信があるのであれば、組織を離れて自分で「クリエイティブ」な仕事を始めてみましょう。
どれだけの長時間労働でも「自分がやりたい事」だったら楽しい時間です(※)
※ただし、その感覚を部下や社員に強要することは絶対にやめましょう。その理由が理解できない人には、人を雇う資格がありません。
そして私はなぜ映画「ビートルジュース」から、何の脈絡もない引用を重ねたのだろう?修辞だとしても、良い効果は絶対に産まないはずなのに……
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