サルタナいよいよ開業&いきなり破綻!
2021/9/25土曜日、門前仲町BIGHORN様のご厚意により「カレーとシンセサイザーの店・サルタナ」が一時的仮店舗ながらオープンしました!
「恙なくオープンしました(※1)」と書きたいところですが、恙、ありました。オープンからオペレーションが破綻しまくり!
お客様にも御迷惑かけっぱなしで、全くダメダメでございました。
どれだけダメダメだったのか、反省の念を込めつつ記しておきます。
1.開店準備時間にバッファーがなく破綻
当初の予定は「10:00入り、11:30開店」で、カレーは早く作る自信があるので、ボトルネックは炊飯。これも浸水を含めて60分でできるので、一升炊くとして1回につき上限の五合×2回。これも時間差で炊けばいけるだろうと。で、その合間にアチャール(漬物)を用意すればいいや、という目算だった。
で、その目算での準備完了時間が「11:25」ですよ、開店が11:30設定で。こうことを営業初日からできると思っている人のことを、世間ではアホと言います。
案の定、開店時には完了せず、さらに当日の機材チェックを怠ったせいで、お客様から「音が出ない!」といったお叱りを受けました。面目ない。
開店前の清掃チェック、メニュー配置、掲出物の用意、電源入れなど、他にもやることが多数あるのに調理時間だけでいっぱいいっぱいのスケジューリングをしていた。
あと、二度寝で遅刻しかけた。実は仕事をしなくなって2年以上「何時に起きてもいい生活」を続けてきたお蔭で、目覚ましが鳴っても二度寝してしまう。
ここまでは誰にでもある話なのですが、勤め人だった頃には「二度寝しつつも半覚醒の状態で、2~3回のスヌーズを経て起きる」という感じだったのです。というか元々時間に神経質な人間なので、目覚ましが鳴る1時間以上前は半覚醒の状態だった。
ただ2年間無職という年季が私を変えてしまった。目覚ましが鳴るとスヌーズどころかアラームを切って、再度『深い眠り』に入ってしまうのです。
いやー、2年間のダメ人間生活は人間を変えますね。
2.できると思っていたワンオペが無理だと発覚
BIGHORNというお店は結構広くて、25人くらいは余裕で座れ、詰めれば30人以上のお客さんが入れます。これだとワンオペ(店を一人で回すこと)は不可能です。
ただサルタナではシンセサイザーを置くため「2席分で1名様」という格好になっているので、全11席。「これならワンオペ可能だろう」と高をくくっていたら、大誤算でした。
まず厨房が対面式ではないので「調理や配膳、食器洗いをしながら客席の様子がうかがえない」というのが決定的。何か作業をしていると「新規ご入店のお客様」も確認できないし、何か注文したげな方、水がなくなっている席、食事が終わっている席、これらが物理的に視野に入らない。
まともにやろうと思うと厨房+ホールで、最低2名は必要になってくる。食券システムとか導入しない限り、ワンオペは絶対無理!物理的に無理!だと分かった(※2)
で、もう厨房は奥さんに頼りっぱなしですよ。いやー結婚していてよかった、というと非常にゲンキンに聞こえますが、この人と結婚してよかったと改めて思いましたね。平日も仕事してるのに貴重な土日を割いて、文句も言わずにフル稼働してくれる。さらにコーヒーを入れるのもうまい。マルチタスクな奥さんです。私はカレーを作るだけ。
分かりやすく言うと「奥さんが minilogue なら、私は monologue 」という感じですね。はい、分かりにくいですね。
3.カレーがあっという間に売り切れてしまう!
土曜日、11:30になると同時にお客様が数名ご来店。
前日に日本シンセサイザー協会(正式名称:日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ)の代表理事・氏家克典さんが内見にいらっしゃって、SNSで爆裂的に宣伝して頂いた影響だ!
しかし開店と同時に来ていただくお客様がいるなんて、想定外だった!
その後も客足が途絶えることなく、当然カレーの注文も途絶えることがない。この時点で「ワンオペ無理」が発覚し、私が厨房に入ると「私がやるから、あんたはホールに回って!」と怒鳴りつけられる。
ビルの3階というロケーションもあり、BIGHORNのマスターからは「お客さん来ないよ~」と脅されていたので、そんなに山ほどカレーを用意していなかったってこともあり、土曜日は13:10にカレーが完売
にもかかわらず「ドリンクだけでも良いよ」という奇特なお客様や「じゃあ、どっかで食べてからまた来るよ」という律儀なお客様のお蔭で、閉店の17:00までお客様が入っている状態だった。
さらに日曜は「土曜よりもお客さん来るだろう」と、朝8時から来て倍量のカレーを仕込む。しかしあえなく13:30には完売
13時台に完売はないわー。せめて14:30までないとあり得ないわー。で、予定通り19時まで営業するとなると、営業終了までカレーが残ってないと「中休みなし」にする意味もないしダメダメな店じゃないか!
えー私、実は前職で一時期「需要予測」の仕事をしていた事がございまして、1カ月10億円分以上の商品生産量を予測していたんですね。要は私「需要予測のプロ」だったわけです。それがこの大失態ですよ!
やっぱりサラリーマンは気楽な稼業だったなあ、と回顧する次第です。
頭痛のタネと、解決のための種
そんなこんなで散々だった2日間でしたが、もっと散々な思いをしたのは「カレー目当てで来たのに、売り切れてた!」というお客様たちだと思います。本当に申し訳ありません!中には遠くから来ていただいている方もいらっしゃり、恐縮の至りです。
土日といえば、地方に住んでいる方が「土日に東京に行くから、ついでにあそこでカレーを食べに行こう」と考えているお客様もいらっしゃるはず。そこで「品切れ」は、さすがに御法度でしょう!
だから来週の土曜は思い切った量の仕込みを!と意気込んでいたら「台風直撃」とか「酒類提供の制限解除」とかいう噂が聞こえてきて頭が痛い!
(酒類制限可能になると、BIGHORN様に店をお返ししなくてはならないのです)
でもやるんだよ!
ワンオペも、少なくとも平日くらいは出来るように工夫しないといけない。アイデアは多少あるので、オペレーティングがちょっと変わってゆく可能性があります。
とにかく、これに懲りず日本で多分唯一の業態「カレーとシンセサイザーの店」サルタナを、今後とも御贔屓いただければ幸甚です!
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カレーとシンセサイザーの店・サルタナ
最寄駅:東京メトロ東西線 / 都営大江戸線 「門前仲町駅」
※東京駅(大手町駅)から東西線で3駅
住所:東京都江東区富岡1-7-4 キーポイントビル3F(BIGHORN様店舗)
※1F「ヘヤギメ!」様の赤い看板を目印にどうぞ。
※1,2,3,4,5出口どこからでも2~3分(6出口のみ遠いです)
おすすめは、2 or 4出口です
地図:tinyurl.com/29xuns3r
Twitter:カレーとシンセサイザーの店「サルタナ」【公式】
Instagram:sartanasynth
YouTube:Gavacho Music
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※1:そういえば恙(つつが)というのは、つつが虫が媒介する「つつがむし病」のことだそうで、つつがむし病にかからず健康に暮らすことを「恙なく」というらしいのですが、私は生まれてこのかた誰かが「つつがむし病」にかかったという話を聞いたことがないので、世の中大概の人は「つつがなく」暮らしているわけですね。
※2:ちなみに以前お世話になっていた高円寺「トルカリ(20席程度)」では、同じような店舗構造で一時、女性スタッフがワンオペで仕切っていました。相当きつかったようですが。つーかよく出来たな、そんなこと。
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