Side Story: Going to the beach
そういえば、私の誕生日以降の週末に国内1番の観光地であるリゾートビーチに行った。
なぜそれが私の誕生月だったと記憶してるのか。Eくんとぼんやり海を眺めている時に、Eくんが日本に帰る時は冬なのか〜そういえば今って冬なんだよな。半袖で汗かきながらこうやって海いるの不思議なんだな。と考えてた記憶が微かにあるから。
メインのビーチで、人工の砂浜を歩き、海にかかった橋を歩いて見晴らしの良い高台に登った。
Eくんは黒い大きめのTシャツを着て、ちょこんと丸太椅子みたいなオブジェに腰掛けていた。
こういう「椅子として作られていないなにか」に腰掛ける姿を先に見ていたから、トランペットケースに座るEくんをみてEくんらしいなあ〜と思ったのかもしれない。
その姿勢は、以前、私とKuriたちの水かけ合戦を絶望した目で見ていた時と同じで。
だけど、この日隣には私がいて、Eくんは繋いだ私の手を離さなかった。
このエリア一体にある歴史博物館や、水族館など観光施設は全部旅行客向けの価格帯で15、6歳には簡単に出せる値段じゃなかった。
「「高いな〜〜」」
そういって観光客に混ざって満喫する気はそうそう無く、ただビーチにだけぼーっといたような気がする。
私たちが住んでいたこの国はとても小さすぎて、お出かけしに行くとなるといつも同じパターンだった。
Eくん以降にお付き合いした彼氏達ともここには来たし、同級生達とのパーティーでもここに来た。
もちろんこの日以降も、Eくんとここに来ることもあった。だけどその時は彼氏彼女としてではなくてただグループの中にいただけだけど。
でもこうやって2人で海を眺めていたのはこの日が最後じゃなかったんだな..…。
ひとつ、ひとつ、思い出を辿っていくうちに伏線を回収していっている気がする。