死の短歌
死に絶えてその先にある光なら別にいらない ほしいのは今
姦しい世界と思っていただけで 海の中腹 ただ鎮まって
贈るならレクイエムかと微笑んだ そんな君には透明なハグ
死の狂気胸に渦巻く私を何事もなく乗せる快速
死にたいが希望であるなら絶望はいつ訪れると思う今際
死ぬために電車乗るから化粧する 死ぬ間際まで人目気にして
安楽死制度が導入されるまで死なないでおこう なんて無理だよ
足元に落ちた雫はさらに下 波にもまれて我と消えゆく
死に方を考える夜 暗闇で目を開けているかすら曖昧
南武線飛び込む時はありし日を過ごした最寄駅にすと決め
肉体と思考を分離できたなら「私」は死なずここにいたのに
優しさよ お前しかない世界ではこの世の誰も生きてはおれぬ
あと2秒経ったら死ぬと決めたのにもう15秒時を数えた
顔認証もしや死体であくかしら 不安になってググる8階
君死して なお香の残る洋服に顔を埋めて立ち尽くす朝
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死の短歌botさん (Twitter @shi_no_tanka)
からインスピレーションを受けて
書き溜めていた短歌15首です
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