見出し画像

初インド旅行後、見返したくなった映画|『めぐり逢わせのお弁当』

インドに2024年年末、初めて旅行した後、昔見た映画の中で、また、見てみたいと思ったインド映画があります。

驚きのお弁当配達システム

その映画は、"めぐり逢わせのお弁当” (" The Lunch box") 2013という映画です。インドの大都会ムンバイの実在のお弁当配達システムを軸にし、誤配達から生まれたある男女の出会いと心の揺れ動きを繊細に描いた映画です。

私が初めてこの映画を見た時には、インドってそういうものなんだな、くらいにしか感じていなかったのです。が、よくよく、思い出してみて、このお弁当配達システム、すごいことなのではないかと思うようになりました。

今でもあるのかな?と調べてみたところ、なんと、今でも、ダッバーワーラーという五千人の配達人が、毎日、1日20万個のお弁当箱を運んでいるそうです。それはなんと、130年以上前からあるシステムのようです。アプリ化などできなかったその昔から、ほぼ、間違えなしで配達されるシステムとして知られ、ハーバードビジネススクールでも好事例として取り上げられているそうで、TEDでも発表されたりと、インドならではの事情を見事に解決しているシステムと言えます。

誰が作ったお弁当なのか?

ここでのポイントは、家庭で作ったお弁当をオフィスに届けているという点にあります。大都会ムンバイに通勤するには、東京のように、ムンバイ近郊から電車に乗る必要があります。ですが、その電車は超満員。皆が、お弁当箱を持って乗り込んだら、大変なことになりそう。なぜなら、お弁当の中身は、液体のカレーだからで、通勤時に液体がもれてしまうから。

そこで、130年前に思い立ったこのお弁当配達システムの創業者が、サービスを始めてみたところ、大人気になったという流れのようです。

驚くべきは、各家庭に毎日、お弁当配達人が、お弁当を取りに行き、そして、オフィスに届け、食べ終わったら、そのからのお弁当箱をまた、オフィスに取りに行って、家庭に届ける、それを繰り返しているという点です。

まず、食に対する強い欲求がなければ、このサービスは必要ないわけです。そもそも、作る人、作り人が作り続けなければ、成り立たないシステム。

お弁当箱ですが、4段重ねなのです。これ、ランチを毎日作るの、相当大変だと思うのですが、夕食も同じように作るわけですから、すごい、食に対する熱意、そうです。どうしてもカレーが食べたい!という食べる側の欲求と、どうしても、食べさせたいという愛がないと成り立たないわけです。

見直したかったところ

この映画を初めてみた、10年以上前は、インド料理やインド自体に興味があったわけでもなく、時々、外国映画を見に行ったりしていたので、その中の1本としてみました。

この映画を見た後、お弁当が美味しそうだなと、心底思ったのを思い出しました。インド旅行した後、あれは、どういうお弁当だったんだっけ?お弁当を毎日作るって、それって現実的な前提なんだっけ?何を作っていたっけ?と気になり出したら、確かめたくなりました。そして、インドに一度行った、今なら、もっと細かく理解できるかもしれないと気持ちが盛り上がり、Netflixで、かつては見れたみたいですが、今は、日本からはどこでも見れない映画となってしまったので、中古のDVDをAmazonで買ってまでみることにしました。

見直してみた結果

映画の中で、主人公が今日はどんなお弁当なのかが知りたくて、お弁当の匂いを嗅ぐ場面が何度も出てきます。その描き方がとても細かくて、ストーリーが進むにつれて、匂いを嗅ぐ行動だけでも、心の動きの移り変わりがわかる描き方になっているのです。

それは、インド料理に限らず、どの国の料理でもだとは思いますが、スパイスを多用するインドは特にそうかなと。今だからそれがすごく想像しやすくなりました。

食が中心になって繰り広げるストーリー

この映画は、まさに、美味しいものを食べると、人はどうなるのかが表現されていて、インドにおける食と人との関係性が、描かれています。いわゆるインド映画だと必ず歌い出すとかという映画ではなく、その真逆なインドの魅力である繊細な面を描いているからこそ、インド映画の中では絶賛され、世界で評価されたのかなと思いました。

制作は、インドとフランスの共同制作だったからかな。

改めて見てみて

意外に深い映画だと、思いました。

女性と男性
年齢を重ねること
幸せな結婚、そして、それに必要なこと
食の大切さ
インドにおける、食の持つ意味
人とのつながり
食が人とをつなげる
など。

思うことはたくさんありましたが、せっかくDVDまで買ったので、何度か、見返してみようと思います。

で、初めてこの映画を見たときにも思いましたが
このお弁当箱、欲しいなと。

日本でも売っているので、買おうかなと改めて思いました。




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集