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インドのサリー 新しいスタイル |インド旅行記 #25
昨年末、初インド旅行に行きました。そこで、出会ったサリーを着た女性たち。本当に素敵でした。あまりのその光景に感動し、インド到着翌日に、サリーを3着買って、お洗濯に出しながら、毎日、着てました。ある女性に会った時に、また、さらにサリーへの情熱にさらに、火をつける出来事がありました。
インドのインフルエンサー、さすがな着こなし
朝食を食べ終わり、これから出発します、ロビーに集合という時に、ショッキングピンク、シルクシフォンのサリーをきためちゃ素敵な女性が、ご友人の、これまた、かっこいいインド服を着た女性と、ロビーにさ〜と現れました。
そのサリーがあまりに素敵だったので、私は思わず、その女性に話しかけたのです。
”すっごい素敵なサリーですね〜〜〜〜〜”
無視されるかな〜
ただ、通り過ぎて行ってしまうかな?と
思っていたら
”ありがとう〜、あなたのも素敵ね〜”と
立ち止まり、会話が始まったのです。
英語がなんと通じる。
この旅行の中で、一番綺麗な英語を喋る方でした。
おそらく、ちゃんと教育を受けてお育ちになり
アメリカとかイギリスとか、英語圏の国に留学経験があるような英語。
なので、めっちゃお話ししちゃいました。
”サリーが素敵ですね、ほんと!!!”と
私が褒めまくると
”ありがとう”とおっしゃりながら、
これまた、サリーがより綺麗に見えるようにポーズを取ってくれました。
ツアー仲間とみんなで
なるほど、あのように体をくねっとさせると
サリーが素敵に見えるのね〜と
感心してました。
後で、調べてみたら、その方はやはり、モデルさんというか、インフルエンサーで、ちょっとだけ有名な方だったようです。
今までのサリーはなんだったんだろう
ええ〜、私、サリー着るなら、シルクシフォンのサリー着てみたい!
あの方のようなサリーを着てみたい!
と思うようになったのです。
サリーを最初に買ったのは、到着翌日。
ティルパティーという街の田舎のサリー屋さんでした。
なので、今から思えば、どちらかというと、ちょいダサい。
旅行の最終日、やっとあった、ショッピングデー。
やっとの思いで、モールに行き、サリー屋さんに行きましたが、そこも、今思えば、やはり、若干のダサさがある。
そうじゃなくって!
もうちょっと、今風っていうか。
新しい感じのサリーはどこに売っているの???
と心の中で叫びつつ、帰国することになってしまいました。
帰国してから、検索してみた
帰国することになってしまい、カッコいいサリーをインド滞在中には、買えなかった。
というか、私の欲しいサリーは、カッコいいサリーだ。
シルクシフォンのサリー。
日本から買えないだろうか?
と思い、検索を始めました。
すると、オンラインショッピング可能なブランドで、インド国内発送のみのお店と、日本への発送もOKのお店があることがわかりました。
それに加えて、よく調べてみると
ブランドにもランクがあって
庶民派
若い人向け
ちょっとオシャレ
高級ブランド
超高級ブランド(結婚式の衣装とか扱う)
最高級ブランド(インドの超富裕層向けブランドだと思います)
とお値段によって、そのデザイン性が異なるってことがわかりました。
当然といえば、当然ですが、高級になればなるほど、生地はどこで作られたものかとか、素材は、コットンか、シルク100%の記載がきちんとしてあります。生地の素材自体が、もう、ブランドそのものだったりします。
一方、お値段が安くなると、素材の表示も曖昧だったり、コットン100%ではなく、合成繊維と混合だったりします。
この中ですと、高級ブランドくらいのランクだと、シルクシフォンのサリーが売っていたりします。日本円で、3万円〜7万円くらいの価格帯です。まあ、3万円、すっごく気に入ったものがあれば、頑張って1着なら買えるかな〜というお値段ではあります。ですが、現地の人にとって、3〜7万円もするサリーは、本当に高級品なのではないかなと思いました。
The Sari Seriesというプロジェクトを見つけた
さらに検索している時に、The Sari Seriesというプロジェクトを見つけました。The Sari Seriesとは、Malika Verma Kashyapさん(Border & Fall)というカナダ出身のファッションマーケティングを専門としてお仕事をされている方が、2017年に、立ち上げたプロジェクトです。インド各地には、地方によって、サリーの着方が異なるそうで、サリーを取り巻く文化を世界に広めよう、紹介しようと、プロジェクトを立ち上げ、お金を集め、主に北米を中心に活動をしているようです。おそらく、Malika Verma Kashyapさんは、なんらかのインドとのつながり、お父さんかお母さんがインド出身なのかなと思いました。このプロジェクトを完成するために、インドに一時的に2年間引っ越したそうで、今は、インドとNew Yorkを拠点に活動しているそうです。
このプロジェクトの中心は、YouTubeに公開されている、2分x90本の動画で、サリーの90通りの着方を紹介しています。
ただ、インド各地にあるサリーの着方を紹介して、サリーの伝統を絶やさないようにしたいということであれば、このようなセッティングをしなかったと思います。
特筆すべきは、その現代的で、ファッショナブルなディレクションです。
伝統的などちらかというと古い感じの着方では、サリーの下にきるブラウスは、デザイン的に伝統衣装を真似たような、ちょいダサな感じです。
ですが、このプロジェクトで扱っているサリーは、ランクで言うと高級から超高級のランクのサリーで、生産地がしっかりとわかる生地を仕立てたサリーで撮影してます。
それに加えて、現代の洋服の生地のようなデザインの生地をサリーにしていてカッコ良いのです。そして、私が追い求めていた、シルクシフォンだったり、軽やかな生地のサリーが、盛りだくさん!
このようなディレクションをすることで、サリーを新たなファッションとして世界に発信をするしたのだと思います。
そして、Malika Verma Kashyapさん(Border & Fall)は、サリーをテーマにした短編映画も制作し、なんと、MOMA(ニューヨーク近代美術館)で, 2018年に上映されました。
エルメスのサリー
The Sari Seriesの90本の動画の中のサリーは全て素敵!
どれも欲しくなってしまうサリー満載です。その中で、ふとみたら、なんとこの動画のサリーはエルメスのものでした。
え、これ、どういいうこと?と思いましたが。
なんとも素敵だし、すごい。
だって、エルメス、着物は作ってはくれないものね。
サリーの魅力って、生地の美しさがそのまま出るところ。出せるところですから。
エルメスは、スカーフが有名なブランドですから、布に対する思いも強いのでしょう。だから、サリー作ったのかな?
モデルさんが、サリー着付けの達人
あと驚いたのは、ここに出てくるモデルさんたち。どの方も、痩せ型。
インドのモデルさんは、ふくよかな方もいらっしゃるので、インド以外で探してきたモデルさんたちなのかなという印象ですが、動画をみてみると、着付けは自分達でしているのです。
それも、ものすごい素早い。
どの着方でも、プリーツを畳む過程がありますが、プリーツ畳みがみなさん、ものすごい早くて高速。しかも正確。一度、プリーツを作ったら、決め打ちされているかの如く、迷いは一切なく、2回くらい、パタパタしたら、そのまま使うことのできる美しいプリーツを作ることができるのです。
私のようなど素人だと、まず、早くプリーツは作れないし、プリーツはずれてくるわ、幅は違ってしまうしで、プリーツの過程は何度もやり直したり、ずれを直したりして時間がかかります。
なので、この素早い着付け技には驚きました。
基本の着付けの方法
この90本の中には、基本の着付け法はむしろ扱っていないのですが、こちらの動画の1:24のところで、大きなポッケみたいなものを三角に伸ばしてから降り入れる場面がありますが、そこまでの過程が、基本の着付けの方法に近いです。
練習したら、これくらい高速に着れるようになるのかな?
と思ってます。
ちなみに、これもおそらくですが、インド人女性なら誰でも、こんな高速に着れるというわけではないと思います!!日本人は着物を自分で着れる人たちがすごく少ないので、比較はできないですが、着物を着る人の中でも、着付けが上手な人と、ちょと着崩れちゃう人がいるように、サリーも綺麗に自分で着付けられるかは、人によって違うと思います。
サリーを上質なファッションに変えた
Malika Verma Kashyapさんは、カナダ出身だからこそ、外から客観的に、田舎に埋もれているサリーの文化の素晴らしさに気がつき、伝えていく、大切さ、そして、新しい上質なファッションとして確立することができたのかなと思います。
The Sari Seriesのどのコーディネートを見ても、下に来ているブラウスは、スポーティなTシャツだったりして、すっごく素敵。Malika Verma Kashyapさん自身、講演などで、普通の素敵なシャツの上にサリーを着ていたりして、かっこいいのです。
現代的にTシャツとか、可愛いい装飾されているブラジャー風な短いタンクトップとかと合わせているのは今まで見たことありましたけど、普通の洋服と合わせるコーディネートはあまり見たことがなかったので、さすがだなと思いました。
Sariなのか、Sareeなのか
私、このnoteを始める時に、自分の名前を「サリーびと」と名乗ることにしたのですが、その英語表記をどのスペルにするかを悩みました。インドのサリーオンラインショップを見てみると、Sariと表記するお店もあれば、Sareeと表記するお店もありました。色々と悩んだ結果、自分の好きなブランドが、Sariと記載していたので、Sariの方がいい感じと思って、Sariのスペルと使うと決めたのです。
で、その後、サリーのことを調べていた時に、Malika Verma KashyapさんのThe Sari Seriesを見つけ
あ!サリーのスペルが、Sariになってる!よかった〜
と思いました。