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【アカデミー賞 授賞式】直前イベントの参加した時のこと・8年前だけど

毎年、2月末になると思い出すこと。それは、アカデミー賞 授賞式  直前イベントに参加したことです。当時、私は、Bostonのとある大学院で、メディアアートを専攻、留学してました。3年間のプログラムでした。貧乏学生だったため、ハリウッドなるところに行く機会もなく、毎日がすぎていっていた頃。仲良しだった舞台美術の先生から、今年の直前イベントに参加しないの?と、聞かれたことから話が始まります。


キラキラな思い出はなし。ハードな留学生活

留学中は、とにかく、体力的にも、勉強のハードさ的にも、英語力のなさからくる苦労的にも、大変なことのオンパレードでした。お金がなければ、同じ国の中といえども、移動することはできず。ただ、Boston市内にとどまる毎日。New Yorkへはかろうじて、深夜バスを使えば、安く移動できたので、美術館とか映画祭とかにいったりしてましたが、それ以外の地域に行くことは、ほとんどありませんでした。

毎日、自分のことをアピールし続けないと、良いプロジェクトのメンバーにはなれないし。授業のレポートの英語チェック受けるための時間を取らないといけなかったり。自分の取っている授業の課題の制作するのは当然のことで、それ以外に、先輩の卒制のクルーになることもあれば、大学が支援している撮影プロジェクトで、学部生のクルーになることもあり、同時にそれらをこなしてました。

なので、毎日を生きるのが精一杯。キラキラな留学生活とはほど遠い3年間でした。

ワクワクした思い出が欲しいかも

そんな生活中、ふと思ったのです。
ちょっとは、ワクワクした思い出が欲しいかもと。

で、舞台美術の先生からお声かけいただいた時、行こうかなと思いました。
そのイベントとは、美術賞にノミネートされている舞台美術監督を招いて行われるトークショー、Q&Aセッション。

LAに、一度も行ったことがなかったこともあり、行ってみたいな〜と思い、なんとか、渡航費用を捻出、滞在日数は最小限に押さえて、行くことにしました。

参加する為には

とはいえ、誰でもそのイベントに参加できるわけではないらしく、大学で希望者を集め、まとめて入場させてくれるシステムのようでした。学部生で舞台美術を専攻している子たちのためのシステムで、大学院生に声をかけることはない、そもそも、そこまで真剣に舞台美術する人は院にいないこともあったようです。まあ、でも、そこは一応、同じ大学ってことで、お願いしたら、そのグループに入れてもらえました。

入場料はもしかしたら、有料だったのかもしれないですが、私たちは無料で入れました。入場前、沢山の人が並んでましたが、一般の方よりも前に入場させてもらい、無事、席に着くことができました。

参加した感想

その年は、「ラ・ラ・ランド」が、作品賞にも、美術賞にもノミネートされていた年でした。「ラ・ラ・ランド」は、久しぶりに見るハリウッドらしい華やかさをもつ映画で、他のノミネート作品と比べると、個人的には、一押しな作品でした。なので、他の作品の話はあまり、耳に入ってきませんでした。舞台美術の話を聞く時、実際に作った過程とかを詳しく映像としてもみれるのであれば、とても、興味深いと思うのですが、その過程の公開なしで、話だけで表現される場合、理解するのが難しいです。

コンセプトはもちろん大切ですし、それももちろん知りたいけれども、作っていく過程をできれば見て知りたいなと思いました。

この年の作品賞・受賞は、「ムーンライト」美術賞「ラ・ラ・ランド」,
主演女優賞 エマ・ストーンでした。

イベントの内容よりも

イベントの内容よりも、大事なのはネットワーク作りなのかもと、途中から思いました。一緒に行った舞台美術の先生は、今でも、うちの大学で教える以外の時間を費やして、現役Production Designerとして、様々な作品に参加してます。長いことこの業界でお仕事をされているわけですから、お知り合いも多いでしょう。なので、いろんな人と、お話しされてました。それを見て、こういったイベントに顔を出して、挨拶をして回るのが大事なんだなと思いました。

学生である私たちに知り合いがいるわけもなく、ぽつ〜んとしてましたが、それでもその空気感を味わえただけでもいい経験だったなと思いました。

LAは、やっぱり明るかった

私にとって、アメリカで、(当時、合計で)9年暮らしていた中で、乗り換え以外での初めてのLA訪問でした。San Franciscoや他の都市にはいったことはあったので、西海岸のゆるさを体験したことはあったのですが、改めて、みんな明るいなと感じました。知らない人同士であっても、話したり声かけられたり、コミュニケーションする機会が、東海岸よりも多めだと感じました。

冬の極寒の突風の吹くBostonから訪問したから、そう感じたのかもしれません。

そして、この時に、その前の年までクラスメートだった子が、転校してLAの学校に通っていたので、会うことができたので楽しかったです。が、この、1つの場所から、1つの場所への移動がとにかく大変。LAは広いのです。バスが使えない時は、Uberを使って移動してましたが、とにかくちょっと移動しようとすると距離を走ることになるので、時間もかかるにお金もかかりました。Bostonだったら、大体は電車やバスで移動できるし、Uber使うのも限定的で暮らせたので。

これは、暮らしていくのはお金がない場合は大変そうと思いました。

キラキラな思い出になったか?

ということで、正直、キラキラな出来事ではなかったのですが、現実を見ることができ、それはそれで、本当に行ってよかったなと思いました。元々、舞台美術を目指す気持ちはそこまで強くなく、興味があるくらいだったのですが、強い熱意がないのであれば、目指すべきでない

ということが、心底わかりました。

報道の中からしか見ることができなかった、アカデミー賞授賞式のその端の端に触れることができたことで、夢ばかり見ていても、どうにもならないな、目の前のことをコツコツこなしていこうと思いました。








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