たまには湯治でぼーっと
箱根に神山という山がある。
箱根の駅を上がり強羅を超えたところだ。
姥子という場所でそこに秀明館という
湯屋がある。あまり知られていないのか
人がごった返しで混むということは
今のところない。いつも閑散としている。
不思議と人気のないとこにありがちな
負のエネルギーはない。むしろその逆で
何かしらの気が充満している。
そのむかし夏目漱石や、
明治の文化人たちが訪れていた。
と、書かれている。
戸を開けると、靴をしまい、
番台でお金を払う。2時間から
1日まで選べ、「湯床」と呼ばれる
部屋を借りる仕組みになっている。
竹細工の籠に入った浴衣と
タオルを受け取り、湯床の鍵をもらう。
湯床に荷物をおき、廊下を通る。
L字の回廊状になっている。
中庭のベンチで夫婦が肩を寄せ合っている。
湯へ着き、着替え、中に入る。
中に大きな岩があり、しめ縄でくくられている。元は俗人禁制の聖域だったそうで、
シャンプー等はご法度である。
桶で汗を流し、湯に浸かる。
俗世のすべてを忘れ、お湯とともに
心の垢を洗い落とす。ふうーっ。
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