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『軽い機敏な仔猫何匹いるか』 土屋耕一

あー、いいアイデアが浮かばなくて困ってるんだ。おい、yamamoto、なんか気の利いた小ネタ
でこの煮詰まった状況をなんとかしてくれ。
そう言われたとしましょう。うーむ、
なるほど、分かりました。それでは
今回は昭和の名コピーライター土屋耕一
さんからそのヒントをもらいましょう。
題して、

『土屋式脳内リフレッシュ回文法』〜ッ!
(ながいな・・・)

・・さて、土屋耕一さんをご存知
ですか? 知らない方のためにお伝えしますと、彼は昭和に活躍されたコピーライターです。ほぼ日の糸井重里さんの先輩くらいの年代で同年代に活躍してる方では伊丹十三さんがいます。

土屋さんはエッセイもいくつか残していて、
『回文集 軽い機敏な仔猫何匹いるか』
という名著があるのですが、今回はその本と
『土屋耕一のガラクタ箱』からヒントをもらう
ことにしましょう。

どうも土屋さんは仕事で煮詰まった時や、
仕事の休憩の合間に、回文を作る習慣を
持っておられたようです。それをエッセイ
の中で、頭のコマを回し続ける、これが
大事なんですね。と軽妙洒脱に語っている。

そもそも、回文とは何か?ここから
参りましょう。たとえば、新聞紙、
逆から読んでも、しんぶんし、です。
また、竹藪焼けた、タケヤブヤケタ、
なども有名ですね。

それでは次に、土屋式にのっとって実際に
回文を作りながら説明して行きましょう。
回文作りの基礎、それはまず『コア』
つまり、骨格から整えていきましょう。
たとえばですね。

あらまッ、セーンセッ、
執筆でお肩もコリますでしょッ?
たまにはドライブでも行かれて気分転換
でもされたらいかが?と、隣の秘書
がそう言ったとしましょう。

『マルクス乗す車』

一句完成。さて次に、

あらあら、センセッ、
もうお帰りになられたの?
もう少しアタマ冷やしてこられてワ?
ほらほら、たまにはデートでもお行きに
なられまして・・
サっ、と肩を叩いて送り届ける。

『デートの マルクス乗す車 の遠出』
  1                   コア    1

と、こーゆー感じになります。
(まあ際どいですがギリギリセーフ
ということで・・・)
コアを作る→左右に広げていく。
内側から外側へ、これが基本です。

※こちらは↓土屋さん作
軽い 機敏な 仔猫 何匹 いるか
カルイ キビンナ コネコ ナンビキ イルカ
 2            1           コア    1            2

こちらはかなり上級者向けの回文です。
最初から大きいのを狙わずに、小さいの
をコツコツ作るのが上達の秘訣だそう。

仕事の合間、煮詰まった時に、ノートに
ペンをささっと走らせてトライしてみては
いかがでしょうか?

さらさら書いてるうちに気がついたら
少しは気が紛れ気分転換になってるはずです。

それではまた。



参考文献
『軽い機敏な仔猫何匹いるか』
『土屋耕一のガラクタ箱』

補足:ほぼ日文庫から上記のベスト盤
『土屋耕一ことばの遊び場』という本が
でててその本を買うほうが早いかもしれません。

参考URL

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