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吃音で救急搬送された話

大学院生だったときの話です。
当時私は研究室に所属しながら就職活動をしていました。

吃音で就職活動は非常に困難なものでした。
入室時の「失礼します」も言えない。名前も言えない。自己PRや志望動機を一生懸命考えてきたのに言えない。
こんな状態で、さらに自己肯定感もかなり低かったので、面接前はいつも不安に押しつぶされそうで、「お酒をたくさん飲んでベロベロの状態で行きたい」と何度も思いました(さすがにやりませんでしたが)。

もちろん面接も惨敗で、いつも激しい自己嫌悪。
名前も挨拶も自己PRも言えない自分が悔しくて悲しくて、自分が嫌いで体を何度もガンガン叩いていました。

その日はたしかグループワークが1件、面接が2件あったと思います。
いつも通りこれらは惨敗に終わり、メンタルはボロボロでした。
おそらくこれよりもっと前の段階で、限界を迎えていたんだと思います。

15時ごろに大学の研究室に戻りました。大学院での研究も進めなければならなかったので、研究室には毎日通っていました(基本的に夜遅くまでやっていて、終電ギリギリになることもしばしば。これも良くなかったと今では思います)。

18時くらいになってから、なんだか気持ち悪くなってきました。
吐き気も出てきて、トイレの個室にこもりました。吐こうと思っても何もでず、どんどん苦しくなっていく。
動悸も起こり、呼吸もどんどん早くなる。
過呼吸から手足も痺れてきて、汗が止まらなくなりました。

「なんとか家に帰るまでは耐えないと」と思ったのですが、手足の痺れで動くことも困難。意識も朦朧としてきて、これは無理だと思いました。
結局2時間くらいこのままトイレにいました。

20時ごろ、トイレから這いずりながらなんとか研究室に辿りつき、先生に救急車を呼んでもらうようお願いしました。
(周りの視線が怖い超メンタル弱者だったため、サイレンを鳴らさないでほしいともお願いしていました)

救急搬送され病院に着くと安心したのか、症状はほぼほぼ落ち着いていました。
色々検査をしたものの異常はなし(熱は39度を超えていました)。
親が車で迎えにきてくれて、車に乗って帰りました。
(なお車の中でも再発し、苦しんでました)

その時は自分に何が起きたのか分かっていなかったのですが、しばらくしてまたメンタルがヤバい時があり、同様の症状が出たので、
「これは吃音の予期不安や自己嫌悪が原因で、自律神経が壊れたんだ」
ということが分かりました。
※後日、抗不安薬を飲むとここまでの重症化は避けられることが分かりました。

以上、ある日の思い出です。
「吃音で」というより、「吃音による不安や自己嫌悪で」という感じですが。
ちょっと振り返ってみました。
もうこの体験は2度としたくないです…

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