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セネカ「道徳書簡集」をスペイン語で読む(28)

不満を治す旅について

Es necesario vivir persuadidos de que no hemos nacido para quedar fijos en punto determinado: mi patria es todo el mundo. Si te penetras bien de esto, no te extrañará que habiéndote hecho partir de un punto el tedio, no te encuentres más satisfecho en otro; porque el primero no te hubiese desagradado si estuvieras persuadido de que perteneces a todos los países.
私たちは決まった点に定住するために生まれたわけではないことに納得して生きる必要がある:私の祖国は全世界なのだ。このことをよく理解していれば、退屈である場所から離れことになったとしても、他の場所で満足することはないことに驚かないだろう;もしあなたが、自分がすべての国に属しているのだと確信していれば、最初の場所にも不満はなかっただろうから。

Caratas de un ESTOICO - Carta 28

単語

Es necesario + 不定詞【句】~が必要である。
persuadir【動】確信する
fijo【形】固定した
penetrar【動】侵入する、深く理解する、挿入する、貫く、見抜く
tedio【男】退屈

コメント

今回の手紙を読んで思い出したのは、江戸中期の談義本、佚斎樗山の「田舎荘子」の一話である「猫の妙術」の次の部分。

教えということは、元々教えを受ける者の中にあって、その者が自身では見ることができない所を指摘して知らしめるだけのことなのです。師からこれを授けるということではありません。ですから、教えることも容易ですし、教えを聞くことも容易です。ただ、自分の中にある物を確かに見つけて、これを我が物とすることが難しいのです。

佚斎 樗山「猫の妙術」

どこにいても、誰に学んでも、環境を楽しみ学ぶ心構えは、その人の中にあるということですね。荘子の思想にはストア哲学に考え方に共通することが多いようです。

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