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セネカ「道徳書簡集」をスペイン語で読む(20)

教えの実践について

La filosofía enseña a hacer, no de hablar, y exige que todos vivan de conformidad a su ley, que la vida no desdiga de la palabra, ni haya discordancia entre los diversos actos de la vida, antes que presenten un mismo color. El deber más grande de la sabiduría, y por ello su mejor indicio, es la concordancia entre las obras y las palabras, la constante igualdad del hombre consigo mismo.
哲学は、話すことではなく、行うことを教え、すべての人がその法則に従って生きること、生活が言葉から乖離しないこと、生活のさまざまな行為の間に不和があってはならず、それから顔色を変えないことを要求する。知恵の最大の責務、そして責務の最良の指標は、行いと言葉との一致であり、人間が常に自分自身と同一であることである。

Cartas a Lucilio - Carta 20

単語

de conformidad a … 【句】~に従って
desdecir【動】[+de と]調和しない、そぐわない、一致しない
discordancia【女】不調和、軋轢
concordancia【女】一致;(複数形で)用語索引

コメント

今回の手紙を読んで思い出したのは、Peter Drucker(1909年11月19日 - 2005年11月11日)の「マネジメント」で強調される「真摯さ(integrity)」と言われる言葉である。英語で、「誠実さ、真摯さ」の意味で integrity が使われるようになったのは、1540年代のことらしい。もともと、現代では整数という意味でも使われるラテン語 "integer" は、「触れられていないもの」という意味から派生して、「無傷の、全体の、完全な」という意味で使われていました。英語の fraction が分数であるのと対称的ですね。つまり、裏表がなく、二枚舌を使わない、人によって態度を変えない、二言のない、一貫性のある人格が、integrity の原義で、まさにストア哲学で陶冶すべき人格の目標だったと思われます。


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