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セネカ「道徳書簡集」をスペイン語で読む(24)

死を軽視することについて

 Separa todo eso que asusta; haz cesar los gemidos, lamentos y el horror de los gritos entrecortados por el esfuerzo de la tortura: todo eso no es más que un dolor que despreciará un gotoso; que soporta el que padece del estómago en medio de las delicias de la mesa; que sufre la joven en su primer parto. Ligero será si puedo soportarlo, breve si no puedo sufrirlo.
怯えさせるすべてのものを峻別しなさい。拷問の力によるうめき声、嘆きの声、途切れ途切れの叫び声を消し去りなさい。するとすべては、痛みに過ぎない。痛風もちが軽んじる痛み、胃を患う者が食卓の楽しみで我慢する痛み、初分娩の若い女性を苦しめる痛みだ。耐えることができれば軽く済み、苦しむ間もないほどであれば短時間で終わる。

Cartas a Lucilio - Carta 24

単語

asustar【動】驚かす
despreciar【動】蔑む 反対語:preciar【動】誇る
soportar【動】耐える
padecer【動】患う

コメント

死は、視覚や聴覚で過剰に装飾されているが、その分を差し引いて考えると、実体は痛みだけで、日常経験する痛みは耐えることが出来るし、耐えられないほどの痛みであれば、苦しむ間もなく死んでいる、ということを言っている。動物は、「死」という概念を持たないので、死ぬことはない。火や強敵など外部刺激に対し恐怖するだけである。「死」という抽象概念を恐怖するのは、言葉を持つ人間だけなのだ。

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