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セネカ「道徳書簡集」をスペイン語で読む(21)

手紙のもたらす栄誉について

Te equivocas, Lucilio, : ir de esta vida a aquella es ascender. Lo que va del resplandor a la luz, esto es, que ésta tiene un origen bien determinado en ella misma, mientras que el resplandor brilla con la claridad de otro, eso mismo va de esta vida a la otra; ésta brilla con la claridad de un brillo foráneo, y cualquiera que se ponga entre medio le hace una sombra espesa, aquella fulgura con luz propia. Son tus estudios los que te harán glorioso y noble.
ルシリオ君、間違えています。この生活から退きむこうへ行くのはステップアップすることなのです。綺羅びやかさから光へ行く者は、つまり光はそれ自体にしっかりとした光源であるのに対し、綺羅びやかさは別のものの明るさで輝いていて、それ自身はこの生活からあちらへ行くのです。この生活はよそからの輝きの明るさで輝いているのです。そして間に身を置くものは濃い影を作り、それ自体は強く輝きます。君を輝かせ、気高くするのは、君の学問なのです。

Cartas a Lucilio - Carta 21

単語

equivocarse【動】間違う、混同する
resplandor【男】輝き
foráneo【形】他国の、よその
espeso【形】濃い、密生した、厚い、汚い
fulgrar【動】輝く

コメント

大衆に評価を委ねて名声を追うのではなく、神に誓いをたてたプロになれということなのでしょう。名声は金銭に繋がり、プロの仕事は、ある意味自己満足でしかありません。つまるところ、金かプライドかの選択では、プライドを選びなさいということなのでしょう。「武士は食わねど高楊枝」のことわざにも言うように、ストア哲学は武士道と似たところがあります。実際、新渡戸稲造の「武士道」を紐解くと、「第2章 武士道の淵源」、「第11章 克己」、「第17章 武士道の将来」でストア哲学に触れている箇所があります。どうも、日本人が解説した武士道の本は、自画自賛で鼻白んでしまうのですが、李登輝さんの本は元気づけられます。


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