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人の行く裏に道あり花の山

今日の日本経済新聞に日本の自己啓発本 (los libros de autoayuda) が世界でヒットしていることを紹介する記事があった。なかでも国内で大ヒットし、ドラマまで生み出した「嫌われる勇気」ですが、意外にもAdler心理学が普及していそうなドイツ語圏でも人気なんだとか。

残念ながらスペイン語版はkindle版が出ておらず、中古が高値で流通しているようです。表紙のデザインが、お正月風ですね。

2019年にすでにスペインの新聞 "EL PAÍS" で記事になっていたようですね。

この記事を書いたFrancesc Mirallesさんは、Héctor Garcíaさんと共作で、日本の「生き甲斐」の考え方を世界中に広めた方です。

アドラー心理学にしても生き甲斐にしても、はたまたストア哲学にしても、語弊はあるかもしれないが、一種の自己啓発である。日経の記事は、さすが経済新聞だけに、「14歳からの自己啓発」の著者、尾崎俊介先生のコメントを借りて、「景気がいいときに自助努力系が、悪いときに引き寄せ系がはやる。」と締めくくっている。大衆は、景気がいいときは努力したがり、悪いときは祈る以外の術を知らないということか。

相場の格言に、アメリカの著名投資家=ジョン・テンプルトン氏の「強気相場は、悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」«Los mercados alcistas nacen del pesimismo, crecen en el escepticismo, maduran en el optimismo y mueren en la euforia».というものがあります。こちらは、世の中が悲観的なときに希望の芽を摘み、世の中の楽観が加熱したときに刈り取った人が儲けを手にすることを仄めかしており、相場で勝つためには、流行の裏をかいて、大衆を出し抜いて、行動する勇気が必要なのです。セネカの思想は金儲けを目的にしているわけではないが、大衆に背を向けるべきというアドバイスは理にかなっているのかもしれない。

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