「普通」目録

「普通」について言及している記事を読んだ。

https://book.asahi.com/article/12489509/

自分も、2、3年前から特に考えるようになった言葉で、hanpoのvol.2でも扱った。

そのなかで[「普通」と「常識」]という記事がある。

以下一部引用
「「常識」とは、イギリスの「コモンセンス」を訳し損ねた言葉らしい。「コモンセンス」は隣人に対する思いやりや、感動する心、繊細な感性、人を褒めるときに使われるような単語だった。その訳である「常識」は、現在の社会のルール、暗黙の了解、というようか窮屈な意味に縮小されてしまった(後略)」

そもそもは、かなり広義の意味の概念だったようだが、ある意味「日本らしい」解釈にどこかで変わってしまったようだ。

巷では、「個性を重視しよう!」「普通を押し付ける学校教育なんておかしい!」という一方、「普通が一番」「これって普通だよね?(但し皮肉がこもっている場合もあるけど)」という言葉が常日頃行き交う。

ただ、「普通が一番」というのと「普通なんて嫌だ」という一見相反するように思える言葉の根っこは、実は同じのような気がする。

理由は、軸が「普通」という概念になっているから。ゼロベース。

「多様性」という言葉も、「普通」という概念がなければ出てこない。

「多様性」や「ダイバーシティ」といった言葉を見聞きするたびに、「普通」という言葉がいかに強く、濃く、根深く社会に浸透しているかをありありと見せつけられている気がする。

「普通」は既に文化として完成している。

同時に、「普通」は社会の流れに弱い側面もあると思う。

20年、30年、100年前の「普通」がこんにちのそれとどれぐらい一致するか。

でも、200年前の「普通」と今のそれが一致している中身もある。

時間をかけて積み重なっていく「普通」は、「本質」にもなり得る。

歴史を超えて何を「本質」としていくのか。

もしかしたらそこが鍵なのかもしれない。


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