せんすい島とすうちゃん 外伝
キノコ会議
「さて…今日皆に集まってもらったのは…大事な話があるからです。」
「大事な話…」
「ゴクリ!」
「そうです大事な話」
「それは…?」
「それは!すうちゃんのご飯の事!」
「ご…ご飯の事!」
「そう!最近のすうちゃんはずっとパンの実しか食べてない!キノコあるのに!」
「それは…まずいですねキノコあるのに!」
「それで、何か良い案がないかと思って」
「ハイ!どさくさ紛れてキノコ食べてもらうのはどうでしょうか?」
「…それは、直ぐにバレてしまうんじゃ?」
「じゃ、パンの実の中にキノコ入れてみるのは…」
「キノコ味のパンって事?」
「そ、それは良い考え!」
「でしょ?決まりだね!」
「…それで、どうやってパンの実の中に入れるの?」
「どうしょう…」
「…。」
コンコン
誰かがキノコのお家をノックした。
キノコが
「はーい!どちら様ですか?」
聞くとドアが開いて
「おや、すうちゃん居ないのかい?」
顔を出したのは、パンおばさんだ
「すうちゃん今日学校にいってるよ?」
「ああ、そう言えばそうだったね、ならこれすうちゃんに渡しといておくれ」
パンおばさんは手に持っていた鍋をテーブルの上においた。
「これ、何?」
「これは作り過ぎたシチューだよ、これをすうちゃんが帰ってきたら渡しておくれ」
「うん、分かったーありがとうパンおばさん!」
「いいんだよ、それじゃあね!」
「バイバイ!」
パンおばさんは手を振って帰って行った。
テーブルには熱々のシチューが
「…シチューだ」
「美味しそうだね!」
「でもこれ…今日のすうちゃんのご飯?」
「…え?」
「…。」
夕方になりすうちゃんが
「ただいまー!」
「あ、すうちゃんおかえりー」
テーブルの上の鍋を見て
「あれ?これ何?」
「…パンおばさんが作り過ぎちゃったからどうぞって」
すうちゃんが鍋の蓋を開けて
「…え、やった!私シチュー大好き!」
「!すうちゃん…シチュー好き?」
「うん?そうだよ私シチュー好きだけど…それがどうしたの?」
「ううん…何でもないよ」
「すうちゃんはシチューが大好き…。」
「ああ、でも良かったー最近パンの実だけだったから飽きて来てたんだよねー!あ、どうだ!パンおばさんの家に行ってお礼言わなくちゃ!ちょっと行ってくるね!」
そう言ってすうちゃんは走って行ってしまった。
「皆…今日の会議は終了です。」
「次こそは!」
「次こそキノコを!」
その夜、すうちゃんは美味しそうにパンおばさんのシチューを食べて
「あー、美味しかった!ごちそうさまです。」