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対米投資1兆ドル|SNSの情報はすべて真実?
「国民には税収増分を返せないと言ったのに、アメリカにはお金を渡すなんてありえない」
「そんな金があるなら国民に配れ!」
ここ数日、SNSでこういった意見をよく見ます。 今、国や政治に対する国民の信頼は揺らいでおり、お金に関する話題は非常にセンシティブです。 私自身も国や政治に対して不信感を持つことがあり、多くの皆さまと同じように将来への不安も感じています。
今日は「対外投資1兆ドル」と「SNSの情報の扱い方」についてお話したいと思います。
「対米投資1兆ドル」
これは、今月7日(日本時間8日未明)の日米首脳会談で、石破首相が日本から米国への投資額を1兆ドル(約151兆円)に引き上げる考えを表明したものです。
これに対して、「日本国内の経済状況が厳しいのに、海外にお金をばらまくのはおかしい」という意見が多く見られます。
この件についてどう考えるかは人それぞれですが、SNS上で事実とは異なる解釈が拡散されていることは認識しておくべきだと思います。
対米投資とは何か?
簡潔にいうと、日本の企業や投資家がアメリカの企業やインフラ、研究開発などに資金を投じることを指します。(いわゆる「民間投資」) 今回表明された「1兆ドル」は、日本企業が今後アメリカで事業拡大するための投資総額を指しており、政府が直接支出するものではありません。
主な目的は市場拡大・技術提携・利益獲得などであり、多くの場合、日本の民間企業が主体となって行います。 ちなみに、アメリカへの投資元1位は日本であり、それだけ両国の経済関係が深いという背景があります。
そしてこの話題には2つのポイントがあり、以下で説明していきます。
重要ポイント
1. 「民間企業が主体」
この投資は、日本国民の税金を直接使うものではありません。 SNSでは「税金が使われる」と誤解されがちですが、これは民間企業が自主的に行う投資であり、政府が「いくら投資しろ」と指示するものではありません。
具体的な投資内容として2023年度には以下の対米投資が行われました。
トヨタ紡織がケンタッキー州で新工場建設(2億2,500万ドル)を発表
トヨタがミシガン州の研究開発本部にEVバッテリー試験施設を増設
など。
2. 「投資とはリターンを得るもの」
NISAなどで積み立て投資をされている方も多いと思いますが、基本的に投資とは「リターン」を期待して行うものです。 この対米投資も同じで、単なる「お金のばらまき」ではなく、日本企業が成長し、結果として日本の経済にもプラスになることが期待されています。
もちろん、政府がこのような発表をする背景には政治的な意図もあるでしょう。 しかし、重要なのは「投資=支出」ではなく、「投資=将来の利益を期待するもの」だという点です。
「SNSの情報の扱い方」
SNSが普及したことで、誰もが簡単に情報を得られるようになりました。 その結果、政治や経済のリテラシーが向上した人もいる一方で、誤った情報が拡散されやすくなったのも事実です。
特に「お金」の話題は関心を引きやすく、センセーショナルな情報が広がりやすい傾向があります。 税金の話題と混同してしまった結果、「政府が税金で1兆ドルを拠出する」と誤解した人が多かったのかもしれません。
「対米投資」に賛成か反対かは人それぞれの判断ですが、自分の生活に関わるような大事な話だからこそ、情報を鵜呑みにせず、事実を正しく把握した上で考える必要があります。
※注意書き※
本記事は、必ずしも現政権を支持する意図で書かれたものではありません。 また、対米投資の是非についても、読者の皆さま自身でご判断ください。
私自身も、政府の方針すべてに賛成しているわけではありません。