見出し画像

パクチー嫌いも大丈夫。食べてみよ、スリランカカレー!

「スリランカカレー?わたし絶対無理。だってパクチーあかんもん」

友人にスリランカカレーの美味しさを力説していた時のこと。
返ってきたのは、こんなセリフでした。

そうなのね、やっぱり…そうなのね。
スリランカカレーは、誤解されています。

好き嫌いが分かれるパクチー

独特の香りから好みが分かれる「パクチー」。“パクチニスト”と呼ばれるほどパクチーを偏愛する人びとがいる一方、無理な人はとことん無理。好きか嫌いか、極端に分かれる食材です。

独特の風味から「カメムシみたいな匂いがする」と評されることも多く、実際「カメムシソウ」の異名もあるとか。ちなみに、わたしは自分で育てるくらい大好きです。

「カレー」×「パクチー」で連想するのはタイカレー。パクチーという名前もタイ語由来です。お隣中国では香菜(シャンツァイ)と呼ばれるようにアジアのイメージが強いですが、意外や意外、地中海原産で欧州や中南米など世界中至るところで使われる人気者。日本でも平安時代には使われていた記録があり驚きですが、馴染み深いセリ科の植物であることを考えると納得がいきます。

画像1

ハーブとスパイス、二刀使いの優れもの

世界共通の英語名は「コリアンダー(coriander)」。しかし、多くの人がコリアンダーと聞いて連想するのは葉っぱ(ハーブ)ではなく、スパイスのホール(種子)ではないでしょうか。つまり植物としては同じものでも、「パクチー」と聞くと葉を連想し、「コリアンダー」と言われると種子を連想するという、自然と脳内変換が起きているのではないかと推察します。

しかし、このようにハーブとスパイスの両方で料理に役立つ植物は珍しく、他にも数種類ある中でもコリアンダーは不動の地位を築いています。

スリランカカレーには使うの?

さて、本題。
「スリランカカレーには、使うの?使わないの??どっち???」

結論。スリランカカレーでは、パクチーから連想する葉の部分は使いません

スリランカは他民族国家で、大多数を占めるシンハラ人、南インドの影響を濃く受けるタミル人、そしてムスリム(イスラム)の人では同じ国とはいえども、食文化に少しずつ異なる特徴があります。

いろいろ学んだ中で、スリランカでハーブとしてのコリアンダー(葉)が登場したのはビリヤニを教わったときくらい。ビリヤニはムスリムの料理で、ムスリム料理ではコリアンダーやミントを多用します。写真のようにカラピンチャ(カレーリーフ)やランペ(パンダンリーフ)と一緒に、スリランカカレー作りでは決して並ばないコリアンダーの葉もスタンバイ。一緒に炊き込みます。

画像2

こちらは今年のお正月に作ったビリヤニ。

画像4

インドでもカレーを作る際には、スパイスとしての使い方だけではなく葉の部分もよく使うので、スリランカのカレーが独自の進化を遂げたのかもしれません。

ただし、スリランカカレーでもスパイスとしてのコリアンダーはよく使います。
「コッタマッリ」
という名前で、ホール(粒状)単体で使うこともありますが、ミックスカレーパウダーの「トゥナパハ」にも配合します。

画像4

スリランカカレーに欠かせない、独自のカレーパウダー「トゥナパハ」はこちらで紹介。

パクチー嫌いさんもぜひ。スリランカカレー、安心して召し上がれ。




いいなと思ったら応援しよう!