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建築物を見て歩く13国立新美術館〜李禹煥展〜
兵庫県立美術館の中で触れていますが、私が国内で一番好きな美術館は、香川県直島にある地中美術館です。
李禹煥美術館は、地中美術館に向かう途中にあります。
設計はともに安藤忠雄。
自然と共生する静かな佇まいの美術館です。
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国立新美術館15周年を記念する企画展に李禹煥が取り上げられたと知り、六本木の地で彼の思想がどんな形で表現されているのかを知りたくて出かけました。
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色づき始めた木々と変わることのない建物が不協和音を奏でることなく、共生している東京六本木。
ものともの、ものと人との関係性を問いかける彼の作品が
そこに在りました。
瀬戸内海に浮かぶ直島の音の無い背景、高層ビルを背負う賑やかな背景。作品の持つ力強さは、どんなものとも馴染み、勝ち負けではなく溶け込みながらも存在を主張する、そんな関係性を紡いでいると思いました。
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静謐なリズムを刻む絵画は、様々な表情を持つ色と1つ1つ異なる余白が心に深く語りかけてきます。
黒には黒の、青には青の言葉があり、見る者に語りかけてきます。
身体にまとわりつく空気感を心地よく感じたり、重く受け止めたりしながら館内外を歩きました。
決して不快な気持ちにならないのは、彼の作品には潤沢な余白があるからだと理解しました。
もともと好きなモノクロームの白、グレー、黒と様々な青に加え今回惹かれたのは、鮮やかな朱色でした。
内なる感情がその色を求めている気がします。
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直島の李禹煥美術館では、絵画より彫刻が印象に残りました。
絵画は色の存在がなく、モノクローム作品だけが記憶に残っています。
ミュージアムショップで買い求めたハガキもすべて色味のないものばかりでした。
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濃く鮮やかな空や緑の中では、無彩色中心で描かれた作品が心に刻まれたのかもしれません。
奇しくも、一昨日NHKEテレ『日曜美術館』の再放送で「安藤忠雄 魂の建築」を観ました。
その中で安藤忠雄が、地中美術館が誕生するまでの逸話と設計コンセプトを語っていました。
また、2022年に完成した直島の美術館ヴァレーギャラリーの設計コンセプトにも触れていました。
ヴァレーギャラリーには今年6月に訪れたこともあり、彼の言葉がストンと心に落ちました。
この壁に絵は要らない。
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今回、国立新美術館を起点に李禹煥美術館、地中美術館、香川県直島、安藤忠雄、ヴァレーギャラリーと話が広がりました。
好きなものに触れ、想いを受け止め、心が動く。
当たり前の日常と心が飛び跳ねる非日常を織り重ねて生きていくことを望みます。