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「着られないものがある」ことを受け入れる

マキシマリストだった私の持ち物No.1は何と言ってもお洋服でした。
45Lゴミ袋で80袋以上捨てたうちの大半はお洋服だっただろうと思います。

もちろん、元整頓好きのマキシマリストの私です。
みっちりではありましたが全てクローゼットに収まっていました。
だから捨てる必要すらないし、うまく収納すればもっと入るから買っても大丈夫だと思っていました。
今、だいぶ捨ててやっと以前の半分以下になりましたが、私がお洋服の「数」「種類」をあきらめられたのは、2つのことを受け入れたからです。

・着られないお洋服がたくさんある

これは、物理的な「入らない」による「着られない」ではありません。
(少なからず「痩せたら着れるから」で持っているものもありましたが。笑)

幸か不幸か、私には他の理由で、着られないお洋服がたくさんあります。

1つは、首まわりのつまったもの
タートルネックは論外で子供のころから気付くと手をつっこんで引っ張っていましたし、シャツのボタンを一番上までとめるのが苦痛です。
特に喉と鎖骨の間のへこんでいる部分に物が当たるのが気持ち悪くてネックレスができませんし、鎖骨の少し下に布が当たるのも気になるんです。
でも、別に苦しいとか吐きそうとかではないので、ちょっと我慢したり引っ張ったりしていれば着れてしまう。
だからボトルネックやブラウス、フードつきくらいなら、デザインや流行りを重視して着ていました。

まずこれらのほとんどを、あきらめました。

もう1つは、素材です。
ウール系にかゆみを感じることが多く、刺激がないと言われているカシミアでも腕や首、背中がチクチクしてかゆいのです。
アトピーの人はこの感覚に「わかる!」と思ってくれる人が多いのではと思います。
たまにウールでも全く刺激のないものがありますが、試着だけではかゆみに気付かない場合もあり、ウール混のお洋服を購入するのは賭けでしかありません。
モヘアは毛が飛んで目がかゆいので、かなり若い時に一切あきらめていましたが、冬場はウール以外の温かいお洋服がかなり減るので、我慢して着るものだと思い込んでいたんです。

もしくは、化繊のニットやインナー。
これらはウールほど刺激が強くないので安心して着れるものだと思っていましたが、近年やっと、乾燥するしさほど温かくないということに気付いてきました。
綿100%の方がずっといいんです。

なので、ウールと化繊のほとんどを、あきらめました。

・自分と心地に向き合ってみる

着られないと分かっていてもなるべく購入を避ける程度で、多くの服を半ば我慢して着ていましたが、手放すことができた理由は2つです。

・自分と向き合う
・心地と向き合う

着心地は良くないけどデザインが気に入っているお洋服、高かったもの、ブランド、流行、〇〇用などなど、手放すのは勇気がいりました
まず最初に捨てる決意ができたのは「着られない」と厳密に向き合って、自分が心地よくないものはやめよう、と思えたからです。
私の場合はちょっと人より極端に着られないものが多いのですが、誰しもほんの少し、窮屈だとか着心地が良くないとか手入れがめんどくさいとか、何かしらの小さな違和感があるものはあるはずです。
その違和感は、毎朝お洋服を選ぶときのストレスになって自分に返ってきます。
「こんなにお洋服があるのに着るものがない!」、あの現象です。

100点満点じゃないから選びたくなくて、でも選ばなきゃいけないコストは朝の頭にはけっこう大きくて、そこから逃れたくてまたお洋服を買う。
でもそれも100点じゃない。
そしてまた選べない無限ループ。

だから、着心地満点以上のものだけを残してみよう、とチャレンジしてみたわけです。

手放す過程で1度、毎日同じものを着てるって思われないだろうか…?と不安な気持ちがやってきました。
その時思ったのが「私は誰のためにお洋服を着てるんだろう?」ということ。

流行の服じゃないと、毎日違うものを着ないと、きちんとしてると思われないと…
「誰かに見られる」ことを意識しすぎて「私がどういたいか」を上回っているのかも?と思ったんです。
確かにお洋服は私の印象を左右するけど、手入れされていて私に似合っていてTPOを大幅に外さなければ、種類が少なくても「こいついつも同じ服着てやがる!」とか思われないはずです。
というか、そう思ってても私は他人の思考を止められないし変えられないのだから。
だったら私が居心地のいい服だけ着ていれば、自分の生活のクオリティが上がるし、満足したものを着ていれば「今日の服はここが失敗っだった」とか思わなくてすむし、かゆいとかもぞもぞするとか日中のストレスがなくなるだろうと、思ったんですね。

しかもお洋服の点数が減れば選ぶためのコストが大幅に下がるので、それを仕事のアイディアやプライベートの誰かへのやさしさに使えるので、トータルして自己肯定感がすごく上がるという特典付きです。
お洋服と一緒に他人からの目線を手放して、クローゼットも心も軽くなりました。

・まだお洋服はたくさんあるけれど…

私の「着れない」の条件が重ね着に向かず、また体温調節が上手ではない身体のため、ミニマリストを名乗るほどお洋服は減らすことができません。
それでも、毎年3、4回ひぃひぃ言いながら衣替えをしていたクローゼットが、ついに衣替えなしにできるほどすっきりして、今とても気持ちがいい!

自分を大切にした条件を受け入れること、そして自分が作り出た幻想を手放す勇気をもつこと。
結果として生活全体や自分の心にできた余白を自分と大切な人に使えることがうれしいです。
「数」にはこだわらず、私の基準をアップデートしながら、これからもお洋服と着る私と、向き合っていきたいです。

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読んでくださりありがとうございます☆サポートで美味しいコーヒーショップのミルクティを飲んで、またよい記事が書けるようにお勉強します!