命短し、愛せよ自分。
命短し、愛せよ自分。
自分を愛せるのは自分しかいない。
妹の名言だ。
こういう風に考えられるからこそ、きっと彼女は強くて美しいのだろう。
でも本音ではとても自己評価が低い子だ。
競争社会で生きてきて、音楽でも絵でも比べられて生きてきた子。
自分よりも技術もセンスも上の人間を何人も見てきたんだろう。
だからとても自己評価が低い。
私ほどではないかもしれないけれど。
だからこそ彼女は、自分で自分を愛さなければならないことを知っているのだ。
他人がそう易々と自分を愛してくれることがないと知っているから。
家族も含めて。
勿論とても愛情深い子ではあるけれど、自分を一番に考えられる子でもある。
私はそれをとても羨ましく思うのと同時に誇らしくも思う。
私の妹はちゃんと自分を大切にしてあげられる人間なんだと。
よく妹は私に向かってお姉ちゃんは凄いと言う。
家族のためを考えたり他人を優先したり。
でも同時に自己犠牲的だとも言われたことがある。
理解はしていた。
ただ私は今までの生き方からこうするしか生きていく道を知らないのだ。
どう立ち位振る舞えばいいのかも分からない。
自分を一番に愛することってどうするんだろうか。
そんなことを最近ぼんやりと考えている時がある。
でもまだ答えは出ないまま。
ただ自分を甘やかすこと。
それは違うのだと思う。
命は短い。そんな中で自分を一番長く愛し続けられるのは自分しかいない。
そう思うと、とても深くしっかりと考えなくちゃならない話のような気がしてくる。
命短し、愛せよ自分。
私よりも何歩も先を行く妹の誕生日が近い。
今年は何をあげようか。
彼女の好きなゴーフルと……
こうやって迷いなくゴーフルと言えるのは彼女が日頃から自分の好きなものを周りに周知させているからだ。
私はゴーフルが好きだと。それも大がつくほどに。
あぁ、これも自分を一番に愛する一種の手段なのかもしれない。
プレゼントする方は彼女の大好きなものをあげられるし、彼女自身は自分にご褒美をあげられる。
そうやって好きなものを好きだと周りに伝えておくこともきっと、もしかしたら、
多分だけれど、自分を一番に愛する。という行為の一つにはなるのかもしれないと思う。
ゴーフル3段とか、ビッグゴーフルとか。
誕生日が近いからそろそろ買っておかないと。
命短し、愛せよ自分。
私の尊敬する妹が、また一年健やかに過ごせますように。
そしてこれからも長く、自分を一番に愛せる強く美しい人間でありますように。