【親と介護と私】介護は親との関係が突然変わる
人生において、親との関係が変わるとき、というのがある。
それは、親と子の力関係の変化ともいえる。
まず、就職や結婚などによって親から独立し、生計を別にするとき。
これまで衣食住から学費など、親の庇護の元にいるときは、どんなに親と喧嘩をしても結局は守られている分、立場的には弱かった。
でも親から独立することで、ある程度立場が対等に近づくという感じになる。親との距離感が構築されていく。
次に自分が人の親になったとき。
やっと親のありがたさが身に染みるようになり、親の色々な立場も理解できるから、こちらも同居していたころみたいにカッとなって…ということが極端に減る。
親もまだ元気で自分たちの収入もあるから、ときには孫に…などと親が金銭面で助けてくれたり、こちらも盆暮れにおこずかいをあげたりと、親と一番穏やかでよい関係を保てている時期でもあると思う。
そして、親が高齢になり年金生活になり、身体が弱って病気になり、いよいよ介護になると、親との関係はガラッと変わる。
親子の立場が逆転し、自分が子どものころ親に庇護されたように、こちらが親を庇護することになる。
親は「産んで育ててきたんだから…」とそれをどこか当然と捉えているし、こちらがやることに感謝はしてくれるけど、「親だから」というプライドもあるから、そこで話がややこしくなることが本当に多い。
この、親子の力関係というか、上下関係の切り替わりが強制的に発生するのが「介護」だと思う。
介護は本当にある日突然にやってくるから。
介護が必要になると、肉体的に、場合によっては金銭的にも子に頼らないといけないのに、親の思考・感情だけが元のままだと、子からするとやりにくいったらない。
昔の人が言った「老いては子に従え」というのは、親のこういった思考・感情を切り替えることが、親子関係において大事なんだと教えてくれていて、ほんとこれ言った人グッジョブ!!
最近は親を通して、自分と子の未来の在り方を考えるようになった。ある意味、親が「生きた教本」となり、私がいつか子にお世話になるときに「言ってはいけないこと、やってはいけないこと」を教えてくれている。
そして、とにかく「健康であり、自活できること」が重要だと痛感する。だから、健康とお金はしっかり今から貯めておかねば…と思うし、老いては子に従うかわいい婆でいたいと思う。
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