激しく愚かな恋を喪って見つけた、ひとが生きる理由(4/4)【物語と現実の狭間(7)】
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あれから随分長い時間が経った。
あの日から、恋人という意味に限らずたくさんのひとと出逢ったし、たくさんのひとと別れた。その中で一度も自分を見失わなかった? と訊かれたら、「駄目だったよ」と自嘲するしかない。
わたしが自分を見失わなかった場合でも、相対する誰かが自分を見失ってしまうこともあった。あなたにとってのわたしがそうだったように、わたしの大切なひとが、我を失い自分やわたしを「幸せになること」から遠ざけようとする。残念ながら、それは珍しいこと