秋の手ざわり、火の記憶。
夏の間から雨不足でカラカラ過ぎたお山。
ようやく朝露も滴る気候になり、森も元気になってきたようです。
桂の樹の周りは、香ばしくて甘い焼き菓子のようないい~匂い、
秋がきました。
秋のはじまりって、豊かな雰囲気が満ちていて
なんだかウキウキ・ワクワクしますね。
こんなに素晴らしい季節なのに…
仕事が忙しかったりしてモヤモヤするわけですが
(人類共通の悩みですかね笑)
秋は短いし待ってくれない…この季節を楽しみたい…
そんな気持ちでソワソワします。
そういえば先日、唐辛子の収穫をしましたが、
今年は暑かったのに、たくさん採れました。2年分はあるかなぁ。
我が家ではこの実の部分より「葉っぱ」の部分を食べたくて育てているくらいで、軽く茹で・アク抜きを何度かし、甘辛く味付けた「葉唐辛子の佃煮」は、この季節だけの愉しみ、ご飯がススミスギル…系です(笑)
いつか読んだ本で著者の男性が、
「どこかで食べた、あれは唐辛子の葉っぱの煮物だっけかな、
もう一度食いたいなぁ」と書いていたのを見たことがありますが、
郷土料理などの類って、心に刻まれるような滋味深さがありますよね。
この季節に採れる「棗の甘露煮」も。
当地方では、この「なつめの木」が庭や敷地内など、あちこちに植えられていて、地元の人の、秋のごちそうです。
以前、左官職人さんから聞いた話ですが、馴染みの酒場の亭主に
「結局いちばん美味いもんってなんだよ」と尋ねたら、
「本当に美味しいものってのはな、少人数で・内緒で食うものだ」
と答えたそうで、なるほど…スーパーには並ばないような食材、
クセやアクの強い珍味、消費ルートにはのらない少ししかとれないものは
自分たちの手や足で稼いだ、ツウな人の間だけでこっそり愉しまれる…
実は私も…(小声…)…マツタケ採りがちょっとだけ上手でして…(ʘʘ!)
毎秋こっそり家族で、十分に味わうのですけど…
(キノコ系は、人にお裾分けすると噂が広まり、簡単に場所を聞き出そうとする人が現れるので、ごく親しい人としか分け合わないのが田舎ルール笑)
学びや情報もなんだか似ていて、
本当に大切なことは、秘密のように厚く守られ、求め続ける者にしか
扉は開かれず・もたらされない。真理なのかもなぁ~なんて思う話でした。
⁂ * ⁎
秋らしさも日ごと進み、寒くなってくると、
暖かい「火」が恋しくなりますね。
私はことに薪で使う「ストーブ」が好きで、いくつか作ったり・買い集めたりしてきたものの、家族には「これ以上増やしたら、どれか捨ててもらうからね!」とドヤされています…
非常時に便利なのに…絶対これから必要な時がくるんやで…と思いつつも肩身が狭くなっていますが、本当はもっと部屋の暖房に導入したり、薪ストーブ生活を楽しみたい!…のに、夢は叶わぬまま…
私の「火」への愛着(執着?)は、子供時代、
火との付き合いが同世代よりたぶん多かったからと思います。
昔、自宅に家業の木工所があり薪ストーブを使っていましたが
田舎にある母方の祖母宅でも、
私が子供の頃、まだ薪のお風呂、薪の調理釜を使っていました。
たまに泊まりに行くと、夕食後には、竹の火吹き(ふいご)で
「ふぅー、ふぅー」と風呂釜の火の番をしました。
夕闇のしじま、美しい炎だけが灯る焚き口、
パチパチという音と炎の揺らめきには、子供ながら、
なんとも言えない自然との一体感、頭上の銀河へと同化してしまう様な、
不思議な幸福感を感じたものです。
火で沸かしたお風呂の湯は体の温まり方も全然違います。生活で唯一憧れる夢を挙げるなら、薪風呂・薪釜のある生活一択だなぁ(笑)
火を遣うことは、
やはり人間に何か特別な感覚や安らぎをくれると思っています。
土を耕し、火をおこし・利用し暮らす。それは言葉にならない豊かさ。
そのチカラを生活シーンから奪われた、便利でスマートな現代です。
△△△
以前、雑誌にミニストーブの作り方が載っていて、真似てみたのですが
この小さな空き缶ストーブ(下記)だと、松ぼっくりやその辺に落ちている小枝をくべるだけで、ゆで卵3つくらいなら、ほんの数分で出来上がります。
出た灰は花の肥料などにも。
そしてこのゆで卵、フッカフカ・ふっわふわの
驚くほど美味しいゆで卵になります。火の力ってすごいのです。
ご飯もすぐ炊けます、煙も少なく・炎が大きくならないので扱いやすく、
災害時にもコンパクトでいい。
このミニストーブ(かまど)は、雑誌「うかたま」の冬号に
作り方が掲載されていたもので、考案者は女性でした。
私のはアレンジバージョンなのですが(▼右:蚊取り線香缶.笑)
ちょっとしたお庭のある人なら、試してみる価値ありありです。
(多くの人はあまり興味ないのかもしれず…失礼しております…苦笑)
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占星術などの「風の時代」とはまた別に、
地球の気候変動サイクルの概念として、私たちが生きている時代は今
安定の時代から「火の時代」へ向かっている最中であるといわれます。
1周25920年の歳差運動の中で移ろう6480年ごとの壮大な四季。
安定→火→水→火→安定、この繰り返し。
次々と起こる世界の不穏、多くの人間に新たなる変化を加えたこの3年、
そして激しさを増す自然災害。
それらは全て関係があり、今何よりも「知ること」が、
生きるため大切な時代になったと痛感します。
火の恐さを知り・薪を備え・遣い方を間違わねば、
「火」とは漸く、うまく付き合えるような気がしています。
これから訪れる「火の時代」もまた、そうであることを願って。
日曜日は満月、そして明け方に部分月食が見られるそうですよね。
ふかふかのゆで卵を食べたいし(笑)秋の山へ芝刈りに行こうかなぁ。