見出し画像

題名 「自由の果て」

見えなかった向こうがある。
見ようとしなかった
すべてから背く世界
狭い箱の中で
ぶつかったら嘆き
押されたら倒れ込み
立ちあがれぬまま座り込む。
誰かのせいにしたくても
自分のせいだと分かり落ちていく。
そこから抜け出したくて
どこにもない自由を
当てもなく探し続けた。
心が沈み涙より重くなる自分は
何かを失うように途方にくれる。
ここにはない自由
探し求めた自由は脆く
跡形もなく崩れ
虚しさだけを心へ置いていく。
姿が存在しない形なきもの
抱いた心と同じで
見えない場に自由がある。
この心にそれを創り出し
忘れそうになったら
また思い描いて繋げていこう。
このまま年月は流れて
今の自分が最果てに辿り着いても
ずっと自由のままだ。

          紗羅

若いころの自分は
何かを求めることが多く

気持ちを内に向けるより
外へ向くことが多かったため

土台が出来ていない自分は
何かしら傷ついていた。

自覚する性格は
意志が強く
白黒のハッキリとした人間だから

追いつかない心に性格が重なり
板挟みのとても苦しい状態で

自由が欲しいと嘆いて…
視線はいつも外を向いていた。

外を向けばいろんな人達がいて
知らない世界はキラキラしていたり
さまざまな言葉が舞い込んだり

毎日のように自分が試されていき

狭い箱を創り出しては
逃げ場のない心を生み出していた。

あの時自由は外にあるものだと思い

人や物が素敵な自由を運ぶと
思っていたけど

そうではなかった。

美味しいものを食べたり
良いもので着飾ったり
お金に不自由なく
健康で何でも出来る

充分過ぎるくらい
揃っていると思っても
不安や不満を口にして
悩んでいる人はけっこういた。

その当時は
それが当たり前の水準で
慣れてしまっているからだと
思ったりしたけど

その人達も自分と同じで
外へ何かを求めていて
何かに執着している…

そう気がついた。

自由は見える外側にはなく
自由は見えない内側にあり

それを知らなければ
外側に見える自由は狭まり
それを知ることで
外側に見える自由は広がる。

自分を知らずに
自分以外を見ていては
不平不満が生まれ
愚痴として溢れていくのだろうと感じた。

自分は人間だし
時折窮屈に感じる壁はやってきて
八方塞がりだと感じる時もあるから

その時は必ず外へは目を向けず
まずは内へ目を向けるようにしている。

自由は自分の中に存在するから
最期まで自分は自由でいたい。

いいなと思ったら応援しよう!