私が出逢ったツインソウル・魂の伴侶‐7‐
ツインソウル 魂の伴侶である彼との出会いから現在までを書き綴っています。
運命の再会。
その数年前、彼は数病気で倒れ、ようやく人と会うことができるくらいまでは回復したばかり。
それまでは彼の息子やケースワーカー、医師くらいしか会うことも話すこともなく過ごしていた。
しかも、病気の後遺症で記憶障害もあり、昔のことはハッキリとはまだ思い出せていない状態。
だから、いくら昔の知人、仲間といえど、人に会うこと、まして一度に複数の人に会うことは、彼にとっては大変に勇気のいることだった。
わたしは、事前にわたしのことを覚えているか、先に再会した知人に聞いて貰っていたが、わたしよりもわたしの母の方が強く印象に残っている、と話していたらしい。
実は、わたしが高校生でライブハウスに通っていた頃、母は彼に会いに行ったことがある。
わたしがあまりにも熱心にその店に通い、彼の話を頻繁にしていたので、母なりに「万が一何か間違いがあっては」と心配してのことだった。
あくまでもひとりの客として店に行き、「娘がいつもお世話になってます」といったようなあいさつから、「娘を信用しているけれど、まだ高校生、周りの大人たちの思惑ひとつで道を外してしまうことがあるかもしれない」と彼に話したらしい。
その時の彼は、母のその時の凛とした姿、話し方、佇まい、気持ちのあり方に大変に感銘を受けたのと同時に、母が間接的に自分に伝えたかったことを直感で受け止めたのだと、後に明かしてくれた。
前にも書いたけれど、わたしを「プロテクト」し始めたのも、それがきっかけだったのだそうだ。
そして、母も彼のその思いやりをわたしを通じて感じ、彼を大変に信頼するようになり、わたしが知らない間に一緒に麻雀をするくらい仲良くなっていた。
彼が音楽か結婚かどちらを選択するか、という岐路に立った時、母は年齢のことや将来のことを考えれば結婚の方がいい、と彼にアドバイスしたことがあるとよく話していた。
それほど大人同士の信頼関係があったのですから、わたしよりも母のことを思い出すのは当然のことだと思う。
わたしは覚えていてくれただけでも良かった、と安心して会いに行った。
ただ、ひとつだけ決意していたことがある。
それは、会えなかった20数年の間、彼に何があったのか、彼が許す範囲で聞こうということ。
人のプライベートなことを自分から突っ込んで聞くのは仕事の時だけ。
普段のわたしは余程のことがない限り、そのようなことはしない主義だが、あの時はあらかじめそれを決意してから会いに行ったのだった。
わたしには聞く権利がある、
彼もそれを許してくれるはず。
何故か、そんな根拠のない自信があったから。
そして、その根拠のない自信と決意が彼の心を動かすきっかけになったのだ。