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学生にあてたメッセージ

大学時代からの友人が、専門学校での授業「地域福祉と包括的支援体制」で、性的マイノリティの人権課題を取り上げたいと言いったので、私が原告である元道職員SOGIハラ訴訟について事例提供した。授業後にアンケートをとってくれ、集計結果をもらったので、学生に向けて書いたメッセージ。

学生のみなさん、こんにちは。
元道職員SOGIハラ訴訟の原告で、社会福祉士の佐々木カヲルです。

先週の〇〇〇〇〇先生の授業で行われたアンケートの集計を見せていただきました。
自由記述があるにもかかわらず、たくさんの感想や意見を書いていただき、ありがとうございます。

私の事例を通じて、性的マイノリティのおかれた立場や権利について関心をもっていただけたとしたら、大変うれしく思います。まだまだ裁判も続いておりますので、社会勉強を兼ねて、札幌地方裁判所で行われている裁判や報告集会にも来ていただけたら、直接お話しすることも可能です。

また、今回の授業を通じて、性的マイノリティについての人権課題だけでなく、マジョリティとマイノリティの関係性や個人の尊厳、人権について深く考えていただけたらと思います。人は、全ての側面においてマジョリティ、あるいは、マイノリティであるとは限りません。ある側面においてはマイノリティであっても、ある側面においてはマジョリティであるということもあります。

例えば、私は性自認や性的指向という面においてはマイノリティですが、日本にルーツを持ち、日本で生まれ育ち、日本国籍をもっている点では、マジョリティでもあります。そういうマジョリティでもある私の普段の生活の中では、意識しなければ、先住民族であるアイヌ民族の人や外国にルーツをもち、日本で生まれ育った人の姿はほとんど見えてきません。

しかし、見えてないということは、いないということではありません。いないと思っている属性をもつ人は、もしかしたら、今、あなたの目の前にいる人かもしれません。あなたの周囲にいる人かもしれません。

差別が大きければ大きいほど、当事者は自分のことを日常的に話すことができません。それはなぜでしょう?私たちは、もっと想像力をもって人と接する必要があるように思います。

さらに、無関心は差別をする側かしない側か、それとも、中立な立場にいるかという問題があります。無関心でいることは、いじめの問題を想定するとわかりやすいと思います。

最後に、私は社会福祉士ですが、その倫理綱領と行動規範を意識して仕事をしていきたいと思っています。みなさんも専門職として仕事をされる際には、所属する職場の当たり前が、専門職としての倫理綱領や行動規範にのっとったものといえるかも意識してほしいです。

今後のみなさまの活躍を祈念しております。
この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。



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