「天井」
わたしの ゆうれいは
ぴちゃぴちゃ と 音を立て
あなたの ゆうれいは
ぴちゃぴちゃ と 音を立て
互いに貪り合うふたつの躰を見下ろしながら
天井で無花果を喰っている
ふたりして
わたしの ゆうれいは
もう喰い飽きた と言い
あなたの ゆうれいは
もう喰い飽きた と言い
汗みずくになって寝床に伸びる身体に頬杖ついて
喰い残した無花果の身を放った
ふたりして
―――詩集「三弦の月」より
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