五百字 89.、90.
89.
少し前、親しい友人から誕生日プレゼントなるものを
頂いた。包装紙をあけてびっくり、それはきれいなスカ
ートで。さすがにミニは似合わないだろうと、彼女は私
の為にロングスカートを選んでくれた。白地に大きな花
柄の、明るい色のスカートだった。
ありがとう、と云いながら、正直私は戸惑いの色を隠
せなかった。スカートなんて。家の中では別にして、家
の外にスカートをはいて出た記憶なんて遠い昔である。
一体この服を私はいつ着ればいいんだろう、なんてこと
も思った。何処へ着てゆ