【雑記】いつか終わる夢
FF10の動画を見直していたら一晩中設定集などを読み耽ってしまいました。発売からなんと20年ということに驚いています。
この20年、ゲーム業界はオンラインが当たり前になり、課金アプリ一色になりました。ティーダの「最後かもしれないだろ」というセリフはいろいろな意味で本当になってしまいました。
大人になって変わる「夢」
20年前にプレイしていた時は登場人物の人間模様ばかり考えていたと思います。ベベル周りの政治とか、既得権益がどうとか、何故夢のザナルカンドは作られたのかとか、周回してもアルティマニアを読み込んでも理解出来ませんでした。
今一番感情移入するのはエボンになりました。良い時代、良い人間関係、良い環境、悪いこともいろいろあったけど記憶を消して戻りたくなる瞬間をたくさん経験しました。
夢でも良いからまたその時間に浸りたいと考えることはたくさんあります。
でも良かれと思った誰かの創造が悪い方向に利用されて既得権益になってしまう。そうして現実に存在する様々な夢は終わります。
青春は一瞬
10と10-2の話はせいぜい2、3年の物語。ユウナたちのように、思春期にこれだけ大きな経験をする人はあまりいないと思います。
個人的には中高生よりも20代の学生生活や社会人生活の方が濃密な冒険活劇感がありました。その中には素晴らしい夢もありました。でもそれらは何の前触れもなく突然終わってしまった世界ばかりです。
「少し離れていた間に 見るものも 考えることも みんなバラバラ」
「並んで歩く時は過ぎて ひとりひとりが違う場所に行くのかな」
「でもどうってことない 次に会うあてもなくて ひょっとしたらもう会えないのかもしれなくてもー」
「笑い合ったりケンカしたりの思い出は3人一緒に抱えていくんだね」
「いつかの未来にそれぞれが懐かしい日を振り返る時もあって 離れ離れの私たちが想う瞬間はー」
「そう きっと同じ」
ラストミッションのエピローグ。どんなに楽しい日常を過ごしていても、どんなに激動の日々を送っていても人は変わり続けます。何かの弾みでそれがプツンと切れてなくなるんです。
10と10-2両作とも1000時間以上はプレイしました。この20年間で何度も何度も考察を読みました。でもユウナたちにしてみればたった数年の出来事で、人間だったら誰でもある一つの章の終わりに過ぎない話なんですよね。
以前は死んでいなくなってしまうような場面に涙することが多かったですが、現在は何気ない絆の終わりに涙腺が緩むようになりました。
子供にプレイしてもらいたいゲームNo. 1
今の子供はもしかすると長編ゲームは自分でプレイしないのかもしれませんが、現代にも十分通じる社会テーマをたくさん織り交ぜているので動画でも良いから触れてほしい作品です。
若者が考えるに避けては通れない「死」の話、人種差別の話、政治の話などがストレートに散りばめられているので必ず向き合わなければいけない場面ばかり。
青臭い少年が巨悪に立ち向かうテーマの作品はたくさんあると思いますが、物事を変えることは絶対に悪いことではなく、しかもそれは誰にでもチャンスがあるということ。
そして「夢のザナルカンド」とは何なのか、何年も何年もかけて考えてほしいと思います。
余談ですが、ユウナレスカ最終形態は自分にとってもトラウマで、初見の登場時に驚き過ぎてそっとPS2の電源を切ったことを覚えています。