
精神科医、弱井先生の優しさが心に響く「ドラマ Shrink」
「こういう精神科クリニックがあれば気軽に行けるのに」
NHKドラマ「Shrink 精神科医ヨワイ」を観たときに思ったこと。このドラマをみるきっかけは大好きな俳優の中村倫也さん(以下、倫也さん)が出演するからでした。
観る前の印象としては「精神科かぁ、重そうなドラマだな」でした。しかし、観終わってあと「重そう」と思ったことを後悔するほどでした。
どんな人も安心につつまれる優しさに溢れたドラマ
弱井先生のの優しい話し方、まさにこの役、倫也さんにあっています。患者の話を最後まで否定せず聴く姿勢。そして、患者の話を最後まで聞いた上で冷静にかつ、優しく助言をする。
このような安心感のある話の聴き方、話し方はどうしたらいいのか分からない患者さんにとって救いなのかもしれません。弱井先生のような精神科医がいれば救われる人も多いはず。
病院は病気を「治す」場所。しかし、心の病は「治す」のではなく「付き合っていく」
すぐに結果を求めるのではなく、少しずつ。
このドラマは「精神科とは?」「心の病とは?」「病気との向き合い方とは?」が全部詰まっています。弱井先生の優しく患者思いのキャラクターが「精神科=重い」というイメージがなくなりました。
私にとって精神科とは?
私は就労継続支援施設で働いています。利用者さんの中にも精神科に通っています。でも、精神科がどんなところか?全く未知な世界です。
それに私は精神科はいままで行ったことがありません。心療内科には行こうとしたことはありました。
8年前に失恋したとき、ご飯が食べれなくなりました。食べても戻してしまい、戻すか食べたくないことがありました。
周りからは「考えたって仕方ないじゃん。新しい恋をしなよ。切り替えてさ」などと言われました。切り替えられない自分はダメなんじゃないかとより自分を責めて辛かったです。
同時働いていた高齢者介護施設の看護師に「心療内科に行ったほうがいいんじゃない?」と言われました。彼女はパニック症で心療内科に通院していたのです。
「このままの状態が続くのは良くない」と看護師さんに紹介された心療内科に電話しました。すると、受診は1ヶ月先。
1ヶ月先でも予約を入れました。しかし、途中で「やっぱ心療内科はどんなところか分からないし、怖い」と予約を取り消しました。
精神科に限らず、心療内科もどのようなところか分かりません。受診するのはハードルが高いと感じてしまう人も多いのではないでしょうか?
このドラマで精神科のイメージが変わるのかも……
私だけではなく、このドラマを観ているすべての人たちが精神科に対してのイメージが変わったのかもしれません。私ももしかしたらいつか行くところになるかもしれません。
すべての精神科医が弱井先生のような人たちとは限りません。劇中にでてくる早乙女クリニックのように患者を診ずに、パソコンの画面ばかりみている、薬だけを出して患者さんに対して適切ではない診療をする医師がいるのも事実でしょう。
それでもこのドラマで精神科に対するハードルが下がりました。失恋した、落ち込んでいるでもいってもいいのかもしれないと……。
弱井先生のいうように日本は「隠れ精神疾患大国」それは多分、日本人特有の我慢強さがそうさせてると私は考えます。
だから、日本で精神科が身近になるのはまだまだ先になるでしょう。でも、このドラマは精神科が風邪を引いたときに病院に行くように身近になる第一歩になったと強く思いました。