神様からの叩き台

偽ツインレイという言葉は知らなかった。
ツインレイを知り、前世療法をマスターし、
そのしばらく後に知った。

そして、星の彼はそれに当たる人なんだと。

前前世で、出会っていた。
白馬の彼との子どもを堕胎する時に沙織は海に入って、冷やして、水の中で堕胎した。
出血の激しい中で、自殺と間違えられて、
助けてくれた漁師のような人。

海辺に住んでいた星の彼は、
現世でサーファーである。
海が好きなのはその頃の記憶ね。

自殺ではなくても、出血が激しいから、
放っておけば、死んでしまう……
星の彼は、沙織に、寝床や食べ物を用意し、
一生懸命介抱してくれた。
彼の妻は、神職者でありながら、
妊娠して、堕胎する汚れた女をよく思っていなかった。
当時なら、当たり前のことなんだろうな。

真っ青な顔で教会に帰ろうとする沙織。
当時からキスが挨拶だったのかは知らない。
イタリアとかそのへんだと思われる。
「その彼が羨ましいな……」と沙織にキスし、
別れる。

その時の恩返しで、沙織は彼の
仕事の悩みを聞く、サポートしてあげる
都合の良い女になるしかなかったんだな……

この彼は偽ツインレイだと知った。
しかし、沙織はこの人がどーしてもイヤに
ならない。
笑顔を見ると許せてしまう。

ソウルナンバーは1と7で、違うのだが、
過去数3,未来数6も同じで、
タバコも赤のLARK。
同業者で、名前もちょっと似てる。
出会ったとき、バツイチといって、
長期別居の妻がいて……状況が酷似している。

本物ツインレイは念送りの激しさや
シンクロの多さ、身体的に似ているとか、
そこで、分かってはいる。
そもそも、過去世で。知っているし……

笑顔で全て許されるのも同じ。
仕事メインも同じ。

夕べ、星の彼は、やっと気がついたらしく、
「女性を大切に出来ない。結婚に向いてない。」
と言っていた。

なんだかんだこの人とは17年目の付き合いに
入っている。
星の彼の二度の結婚のため、
両思いでありながら、一度も、
つきあったことがない。

お互いの思いが溢れたときに年に一度、
キスだけ……というような感じ。
夕べも、会ったのは2年ぶりぐらいのような
気がする……

今更、彼氏、彼女とか、付き合うとか、
そういうことはないんだけど、
お互い好きなのは、再確認。
沙織は、16年もこの人を待った。
二度目の離婚まで、大人しく待っていたワケでは
ないが、その間に沙織も離婚、最近、
婚約破棄、彼氏……いろいろだったが、
16年も待っていた。

二人の障害がなくなり、
夕べはステキな時間を過ごせた。

アレ?ツインレイの邪魔が入らない。
念送りもない。
元々この星の彼は不安定で、約束は何度も
破られたし、気まぐれだ。
愛情表現はあるが、安定した付き合いは不可能。
ツインレイの彼も星の彼の出方は読めないのかもしれない。

古い付き合いだから、仕方ない、
と思っているのかもしれない。

16年の月日……最期にいる人はこの人かもしれない。
好きな気持ちは変わらない。
ただ、星の彼は、彼の不安定さを
全面的に受け入れなくてはならない。

連絡がほしい、とか、甘えたいから、来て欲しい
とか何も、求められない。
それでいい、と、今の沙織は、思っている。

16年の月日がそうさせてくれた。
怒りもないし、達観してる。

ただ、ステキな時間をありがとう。




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