人生は2時間ドラマのようにはいかない
わたしはひとりっ子だ。
学校からも離れたところに家があったので、友達と遊べる機会もあまりなく
大部分の時間をテレビとともに過ごした。
とりわけ、夕方4時くらいから放送される2時間ドラマが好きで、毎日見ていた。
検事霞夕子、赤い霊柩車や十津川警部、浅見光彦など大好きなシリーズはたくさんある。
テレビの影響をモロに受けているわたしは、実際外回りの仕事になって、
「ああ、人生はドラマのようにはいかないんだな」
と、恥ずかしながら思い知った。
二時間ドラマでは、
主人公が謎を解く手がかりになる人の住所を教えてもらう場面がよくある。
そのあと新幹線の映像がシャーッとはいって、
次の場面ではもう玄関先についてピンポンを押している。
しかもちゃんと家の人がいてくれてちゃんと重要なことを言ってくれる。
そしてまた帰りの新幹線がシャーッと写って、「◯◯さんに会ったんですが、重要なことがわかりました」なんて報告している。
そういう風に、訪ねていけば簡単に人に会えるもんだと思っていた。
世間知らずにも程がある。
実際は、住所をマップで拾い、渋滞にもまきこまれ、近くまで来たらカーナビにも放り出され、
表札の出ていない家をぐるぐると探し、やっとみつけたら
あれ、車置くとこない!
みたいなことの連続だ。
会いにいくまでが大変だとは、テレビは教えてくれなかった。当たり前だけど。
今の子供たちは、もっと進化したゲームの世界でわたしのようなカルチャーショックを受けやしないだろうか。
他人事ながら、心配である。
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