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乳腺炎サードステージ

乳腺炎になった。3回目だ。

やつは唐突に訪れる。とはいえ、今までは遠出したなど若干の心当たりはあったが、今回は全くの不意打ち。寒暖差が激しく、扇風機を出すほど暑かったと思ったら毛布にくるまるほど寒い日が続いていたので、そのせいか?最近子どもが夜覚醒し、頻回直母にくたびれて乳を出したまま寝ていたのが寒かったか。ともあれ、若干右の胸が痛いなとは思ったが何事もなく朝食を済ませ、出かける準備をしている最中に、「あ、やばい」と気づく。寒気と膝と足のもったりとした関節痛と吐気のような気分不快。熱を測ると36.8℃。でもこれは、これから熱が出るやつだ。常備してある漢方を飲む。

2度目までのパターンですぐに察知し、今回は早め早めに行動する。寒くてガタガタ震えだしたので、今年はもう終わりかと思ってしまいかけたヒートテックのスパッツを着込み、背中にはカイロを貼る。子どもが自由に動ける危険の少ない部屋に移動し、そこで寝床を準備する。おもちゃが沢山あるので、子どもも機嫌が良い。かまってかまってと這い這いで寄ってくるが、寒くてそれどころではなく毛布にくるまり隠れてウトウトしていたら、気付くと子どもも傍でスースー寝息を立てていた。ごめんねと思うが、今の私にはこれが精一杯だった。検温すると、37.9℃。ほらねやっぱり。

頭の中をぐるぐると色々な思いが駆け巡る。今晩は大事な会議があったのに。明日の午前中も、自分発起人の裁縫の会。夜も会議があって、大事な私のパートもあったのに。今までだったら、解熱剤を飲んでちょっと無理してでも行ったりしていたが、このご時世、ちょっとでも熱がある人が会議に行くのはアウトだろうと、開き直って全て不参加にさせてもらうことにした。熱は38.2℃。しんどい。38℃を越えたので、薬を抗生剤に切り替える。

子どもが起きてくるが、寝たままひたすら授乳する。右に、触れると激痛のしこりがある。おそらくこれがこの発熱の原因だろう。一体いつできたんだ。こいつめ、こいつめとやや圧迫しながら飲んでもらうが、ちっともなくならない。抗生剤が効いてくるのを待つしかない。

不参加の旨を方々に伝えると、自己嫌悪を共にどこか気持ちが楽になる。私は、今ただ寝ていることが許された人間だ。夫にも夕食を作れない旨伝え、子どもとひたすら寝る。子どもは、起きたら一人で部屋中動き回り、かわいい喃語をしゃべっている。なんていい子。夫が帰って来て、慣れない手で食事を作ってくれる。私と子どもにおかゆまで。私はそのまま寝床へダウン。彼はオンライン会議が終わった瞬間に子どもを風呂に入れ、ミルクを作り、私の横に哺乳瓶を加えた子どもをパスし、次なるオンライン会議へ。頼もしい。「ほんとごめん、ありがとう」と呟きながらひたすら寝る。

寝過ぎて腰が痛い。次の日、熱はケロリと下がっていた。やはり完全に乳腺炎。でも、病み上がりだし右乳はまだ痛いので今日の予定はすべてキャンセル。夜の会議はリモート参加にさせてもらった。心は痛むが、いざリモート参加してみると自分がいなくても回ることに気づく。「私がやらねば」という考えは、妄想だった。こんなに小さい子どもがいるのだから、もしかしたら毎回リモートにさせてもらってもよいのかもしれない。冷静になって考えると、遠出はしていなかったが、頭は忙しかったし焦っていた。自分でやらなきゃと思い込んで背負い込んでいた気がする。そんな自分へ警鐘を鳴らす乳腺炎だったのかもしれない。ちょっと休め。いろいろ手放せ。そんなメッセージをアリガトウ。