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今日のあなたと出会い直す

気づくと3ヶ月近く、子どもが生まれてからずっと続けていた一言日記が滞っていた。思い出したようにこの数日書いてみたが、育児のことよりも自分がしたことを羅列したような日記で、私はこんなことを残したいのかと自問自答する。赤子の小さな変化にも気づきたくて一瞬一瞬を大切にと考えていたはずなのに、気付いたら赤子はもう7ヶ月で宇宙人のようなふにゃふにゃは消え失せ、完全に小さな人間になっている。米粒を指でつまみ、握ったペンを引っ張って取ると返せと大泣きする、自我を持った人間に。

BLW(Baby Led Weaning)という、赤ちゃん主導の離乳を気まぐれで行っている。とはいえ、服を汚したくない、あまり時間がないのでさっと食べて欲しいなど、大人の都合が優先されるとなかなか進まない。寛容に見守り続けられるのは、汚れても良いあまりかわいくない服を着て、どこへも出かける用事がない時くらいだ。とはいえ、自分で食べたいと最近欲求してくるので、ごはんを海苔で包んで小さくカットしてプチおにぎりを皿に入れてあげてみた。すると、昔はつまめなかった小さなそれを親指と、人差し指・中指の三本でつまみ、上手に口に入れている。時々、ユーフォーキャッチャーのように途中でポトリと落とすと惜しい!と思うが、前に比べると格段と器用に指を使いこなしている。皿が空になっていても、どうせエプロンのポケットか下に落ちているんだろうと覗き込むと、きれいに空っぽ。これ全部食べたのかと驚く。

口に周りに小さな海苔のカスをひっつけて、パッパッパと口を鳴らしながらこちらを見る。笑顔だ。できない頃は早くできるようになればいいのにと思うけれど、できてしまうと、できなかった頃が懐かしい。こうしてできるようになる瞬間を見届け損ね、気づくとできることが増えているのだろう。

もっともっと、その瞬間を見届けたい。「どうせまだできないだろう」は捨てて、「今日はどうかな?」と毎日新しく生まれ変わる子どもと新鮮に出会っていきたい。