一時保育が始まった
下の子が一歳になったので、保育園の一時保育が使えるようになった。一人目の時も感じたが、基本的にこの一年間24時間赤児とずっと一緒にいたので、羽が生えたような気分だ。最後の一ヶ月くらいはこの日を待ち侘びていた。ついにこの日がきた。
上の子は町内ではなく、少し離れた森の幼稚園に通っている。車で15分ほどかかる送迎バスのバス停に行く前に、家から3分の保育園に下の子を送ることになる。違う園に通っているので、二人分の荷物を作る。上の子の幼稚園は弁当持参だが、下の子は給食。下の子はまだ小さいので昼寝布団やエプロンや着替えも多めに必要だ。指定された物品を揃えて記名する。オムツ一つ一つに名前を書く作業をしながら、ああ上の子が小さい時もこんなことしていたなあと思い出す。短い名前にしてよかった。
早起きして荷物を揃え、初めてこんなに長時間離れるので下の子に授乳をしっかりとあげて、いつもより20分ほど早く家を出る。今日は夫が上の子を送ってくれるとのことだったが、上の子が例のごとく「ママの車がいい」とぐずるので、下の子を送る保育園まで私も車で着いて行く。初登園の下の子はキョトンとわけがわからない様子でさくっと預けられたが、羨ましくなってしまった上の子が「保育園がいい、幼稚園行かない〜」と大泣き。さらに「ママの車がいい、パパの車いやだ〜」とぐずる。夫は早々に降参してしまい、「お願いしていい?」とそそくさと出発。このくらい日常茶飯事なので、まだ時間もあるしもう少し粘ってほしい。結局私の車で送迎する。バス停に着いたら、ケロリとお友達と遊んでいる。
待ちに待った一人の時間。溜まりに溜まった事務仕事などに取り掛かる。途中、何度も布団の方を覗くたび、「そうか今日は保育園だった」と思う。私が一人でいる時は赤児が布団で寝ていることが当たり前だったので、定期的に見守る動作がルーチン化している自分に気づく。動く時は抜き足差し足して、外で車の音がすると「寝ているから、起こされないようにピンポン鳴らす前に出なくては」と玄関へ向かう。部屋を移動するたび、口に入れたり落ちたりする危険がないかを見渡す。一人で何か作業をしている時でも、寝ていた子どもが起きて泣いていないか常に耳を澄ませる。パブロフの犬だ。これらすべて、この一年間で条件づけされてきた子どもと私の日常だったのだなと、そんな日々がすでに懐かしく、愛おしくなる。
迎えの時間になったので、幼稚園の上の子を迎えに行き、その足で保育園へ。下の子が保育園にいる様子を上の子と窓から覗く。たくさんのお友達の中にいるうちの子は不思議な感じだ。先生に着替えさせてもらっていたが、こちらに気づくと急に大声で泣き出した。私を認識して思い出して、恋しくなったのか。認識能力がすごい。ご機嫌に一日過ごしていたようで、ほっとする。片手に下の子を抱っこし、もう片方の手に荷物を持ったら、上の子が「だっこー」とまたぐずり、座り込む。四歳の子を片手抱っこは無理だ。車まで行ったら絶対抱っこするからとこだらかし、なんとか車まで移動。下の子を乗せてから上の子を10回くらいぎゅっとして、ようやく車に乗ってくれた。家についてからも、上の子は大ぐずり。離れていた下の子に授乳をしたり、食事を作ったりしようと思っていたが、何もできない。ポニョの映画を見始めてようやく機嫌が直ったので、授乳と夕飯の準備に取り掛かる。この時点でへとへとだ。これから週3回はこの生活か……とやや思いやられるが、それと引き換えにできた自分の自由な時間。今までできなかったことができることが楽しみだ。少しずつ、新しい生活にも慣れていけると良い。