クエイ兄弟 ファントムミュージアム
クエイ兄弟の展覧会に行ってきました!
トップの写真は、SNSへのアップが許された「ストリート・オブ・クロコダイル」のデコールです。(松濤美術館)
クエイ兄弟は、アメリカ出身のスティーブンとティモシーという一卵性双生児のアーティストですが、ポーランドのポスター展から、東欧作品の美しさに魅せられ、ゴーリーやティムバートン、ゴヤのような、妖しく美しい世界観を宿した映像作品や舞台装置を創作しています。
数々の国際映画祭に出品、受賞した「ストリート・オブ・クロコダイル」や、「名付け難い小さなほうき」など、ストップモーションアニメーションの映像作品をたっぷり見ることができ、その映像作品で使われた「仕立て屋の店内」などのデコール(人形と舞台装置)を見ることができて、とても興奮しました。
映像ではじっくり観察することができなかった舞台装置の細部や、人形の細かい衣装や小道具など、全てにクエイ兄弟独特の世界観、におい、魂が宿っていて、とても美しかったです。
さらに、それらのデコールの一部は、ルーペから箱の中を覗き見るという仕様になっており、クエイ兄弟の作品の人形たちは、「見る」「見られる」という行為を意識的にしている、と思いました。
そのとき、三島由紀夫の「豊穣の海」シリーズの本多繁邦の窃視癖を思い出しました。
どこかクエイ兄弟の人形たちは、世界を窃視している者たち、という目をしているように思います。目のない人形もいるけれど、目玉のない目で、この奇妙な世界を見ている私たちを、盗み見ている。
それにより、両者に奇妙な距離が生じ、作品の独特な不安感を煽っています。それは客観的で、決して同情やべたついた愛着は受け取らないという美意識。それでこそ、不安定で妖しい美しさを生み出すことができるのです。
それはカフカ作品に通じるものがあります。
実際に、展示には「変身」や「夢」など、カフカ作品が元の作品もありました。
ボスやブリューゲルといったネーデルラント芸術の展覧会が相次いであることを考えると、東欧の暗くて怖いけど少しコミカルな世界観、魔女的世界観の良さが再発見されているのでしょうか。
私、大好きです。
展覧会は23日で終了していまいましたが、クエイ兄弟の短編映画作品は、DVDなど購入できますよ!
私のようにネーデルラント芸術はもちろん、カフカやミヒャエルエンデの大人向け作品、ゴーリー、ティムバートンが好きな方にオススメです!ただし、本物の臓器をつかったりと、けっこうグロい演出なので注意してくださいね。
それにしても、松濤地区はおしゃれで落ち着いていて、大人の街ですね!
近くのクレープとガレットのお店で一休み。
オレンジと洋酒のソースがほどよく苦くて大人の味がしました。
また明日!明日はエッセイか小説をアップします。あー私も、クエイ兄弟がマッチするような小説を書いてみたい!
#松濤美術館 #クエイ兄弟 #ファントムミュージアム #ストリートオブクロコダイル #エッセイ #コンテンツ会議
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