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東京学芸大学附属世田谷中学校

1. 基本情報

1-1. 所在地とアクセス

  • 所在地
    〒158-0081 東京都世田谷区深沢4-3-1

  • 電話番号
    03-5706-3301

  • アクセス

    • 東急東横線「自由が丘駅」からバスで約10分、「附属世田谷中学校前」下車すぐ

    • 東急田園都市線「駒沢大学駅」からバスで約5分、「深沢不動前」下車徒歩10分

    • JR山手線「渋谷駅」からバスで約30分、「深沢不動前」下車徒歩10分 

1-2. 設立と概要

  • 設立年: 1947年

  • 設置者: 国立大学法人東京学芸大学

  • 校種: 国立中学校

  • 共学・別学: 男女共学

  • 学期制: 3学期制

  • 生徒数: 約416名(男女各208名)


2. 教育方針と学習環境

2-1. 教育目標と特色

  • 教育目標

    1. 個性的で人間性豊かな人格をつくる。

    2. 創造性豊かな人間を育てる。

    3. 敬愛の精神にあふれた人間を育てる。

  • 特色

    • 自由で自主性を重んじた校風

    • 総合学習「テーマ研究」による教科横断的な学び

    • 生徒主体の行事運営(例:運動会、合唱コンクールなど)

    • オリエンテーションキャンプ(1年)、スタディツアー(2年)、修学旅行(3年)などの宿泊行事

2-2. 授業とカリキュラム

  • 授業時間: 1コマ50分、週29時間

  • 定期考査: 年3回(1学期は期末考査のみ)

  • カリキュラム: 基礎学力の定着と応用力を重視

  • 実践的な学び: テーマ学習、地学実習、国語や英語のスピーチコンテスト等、多様な学習形態

2-3. 学習環境の特徴

  • 閑静な住宅街に位置し、学習に集中しやすい治安の良さ

  • ICT機器やデジタル教材の活用(Wi-Fi環境の整備には一部課題あり)

  • 課題はやや多いが、授業の質が高いとされており、基礎から応用までをしっかり学べる


3. 学習面・進学実績

3-1. 学力面

  • 基礎+応用力を重視

    • 特に理科では実験や観察を重視し、国語・算数では記述力・論理的思考力を問う問題が多い

  • 進学実績

    • 附属高校(東京学芸大学附属高等学校)へは内部試験を経て約半数が進学

    • 難関私立・公立高校(開成高校、筑波大学附属高校など)への合格実績も一定数あり

    • 大学進学でも国公立・難関私立への進学例が多い

3-2. 卒業生と社会とのつながり

  • 多彩な進路

    • 教育、科学、芸術、ビジネスなど幅広い分野で活躍

    • 海外大学への進学者も存在

  • 同窓会活動

    • 「緑友同窓会」が同窓生の交流や母校支援を実施

    • キャリア講演会などで卒業生が後輩をサポートする取り組みあり


4. 学校行事とクラブ活動

4-1. 学校行事

  • 主な年間行事

    • 入学式(4月)

    • オリエンテーションキャンプ(1年対象)

    • 運動会(生徒主体で運営)

    • スタディツアー(2年対象、例:長瀞など)

    • 地学実習(2年対象)

    • 修学旅行(3年対象、京都・奈良が定番)

    • 芸術発表会(10月、合唱コンクールやクラス作品展示など)

    • テーマ研究発表会(11月、総合学習の研究成果発表)

    • 卒業式(3月)

これらは生徒が企画・運営に大きく関わり、責任感や協調性を育む場となっている。

4-2. クラブ活動

  • 運動部

    • 野球、サッカー、バスケットボール、テニス、卓球、バドミントン、陸上など

    • 部によって活動頻度や盛況度に差があり、週2~3回程度のところが多い

    • 国立中学対抗戦や学芸附属中対抗戦への参加例もあり

  • 文化部

    • 吹奏楽、軽音楽、書道、茶道、華道、自然科学、将棋、囲碁、パソコン、アニメなど

    • 週2~3回程度の活動が中心で、創造性や探究心を養う場となっている

  • 特徴

    • 活動の活発さは部によってばらつきあり

    • シリーズ校や大学との連携は一部にとどまる


5. 施設と設備

5-1. 主な施設

  • 教室・特別教室

    • 理科実験室、音楽室、美術室など専門教室が充実

  • 図書館

    • 幅広いジャンルの書籍・資料が揃い、自主学習の場として活用可

  • 体育館・運動場

    • 体育の授業や部活動、学校行事で活用

  • プール

    • 水泳の授業や部活動に使用

  • 空調設備・ICT環境

    • 校内に空調が整備され、快適な学習環境を提供

    • 一部Wi-Fi整備不足の課題はあるが、デジタル教材の活用などに取り組み中

5-2. 課題と改善点

  • 老朽化の指摘がある一方で、定期的な改修工事が進められている

  • 施設の整理整頓・維持管理が課題として挙げられるケースもある


6. 校風と口コミ

6-1. 自由で自主性を重んじる風土

  • 校則は比較的緩やかで、生徒の自主性を重視

  • 行事運営やテーマ研究などで生徒の主体的な取り組みを促す

6-2. 生徒間の関係

  • 内部生(附属小学校出身)と外部生(中学受験組)が在籍し、互いに刺激を与え合う

  • 全体的には明るく協力的な雰囲気

  • ただし、内部生と外部生の価値観の違いなどが壁になるケースもある

6-3. 教師との関係

  • 教師陣は熱心で、高い授業力が評価されている

  • 対応にばらつきがあるとの口コミもあるが、全体として生徒の自主性を尊重する姿勢

6-4. 良い点・課題

  • 良い点

    • 自由でのびのびとした校風

    • 生徒主体の行事運営、教師の質が高い

  • 課題

    • 自主性が強い一方、自己管理が苦手な生徒には負担になりがち

    • いじめ報告が少ない一方、いじめ対応のアンケート「SOSシート」の効果など課題指摘もあり


7. 入試情報と難易度

7-1. 入試概要

  • 試験科目: 国語、算数、理科、社会(各40分)

    • 国語・算数は配点1.5倍(合計500点満点)

  • 偏差値: 男子57~59、女子59~61(2024年度目安)

  • 日程・募集人数(例:2025年度)

    • 募集人数: 男女各30名(計60名)

    • 試験日: 2月3日、合格発表: 2月4日13:00

    • 面接は実施しない

7-2. 入試問題の傾向

  • 国語: 漢字・読解・記述が中心。作文形式の記述問題あり

  • 算数: 計算力や応用力を問う問題が多い。図形・グラフの読み取りなど

  • 理科: 全分野(生物・地学・物理・化学)から出題。実験・観察に関する問題が多い

  • 社会: 地理・歴史が中心、公民は少なめ。資料やグラフの読み取り+記述が多い

7-3. 難易度と対策

  • 難易度は比較的高めで、国立中の中でも人気校

  • 国語と算数の配点が高いことが合否を左右

  • 対策ポイント

    1. 基礎力の徹底(漢字・計算など)

    2. 記述力の強化(論理的思考を文章化する練習)

    3. 過去問による出題傾向の把握


8. 学費と経済面

8-1. 学費の概要

  • 初年度納入金: 約365,950円

    • 授業料は国立のため無料

    • 施設設備費や入学金、制服代などを含む

  • 私立中学校と比べると学費負担は大幅に抑えられる

8-2. その他の費用

  • 教材費: 副教材、参考書など

  • 給食: なし(各自弁当や購入で対応)

  • 行事費: 修学旅行や校外学習、部活動費など

  • 寄付金: 任意での寄付制度がある場合あり


9. 校内生活サポートと安全面

9-1. 生活サポート

  • 学習支援

    • ICTを活用したオンライン教材、動画授業の実施

    • 図書館や個別指導による学習支援 

  • 心身のケア

    • 養護教諭やスクールカウンセラーが常駐

    • スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤーとも連携

9-2. 防犯・災害対策

  • 防犯カメラ設置・来校時の身分確認

    • 不審者対応や防犯意識の徹底

  • 災害時対応

    • 地震・台風などの際は警報発令状況に応じて自宅待機や安全確保

    • 学校公式サイトや放送を通じた緊急連絡網

9-3. 安全教育

  • 不審者対応訓練、防災訓練の定期実施

  • 「インターナショナルセーフスクール(ISS)」基準を参考に地域連携


10. 学校の特色とまとめ

10-1. 独自カリキュラムと研究

  • 国立大学附属校として、文部科学省の研究開発を担う先進的な授業を実践

  • 「基本学習」「総合学習」「生活学習」の3本柱で、基礎~応用、探究的学びを推進 

10-2. まとめと魅力

  • 自由と自主性

    • 校風の最大の特徴は「自由で自主性を尊重する」姿勢。生徒が主体的に考え、行動する機会が多い

  • 高い教育水準

    • 充実した授業と総合学習により、難関校進学者や各界で活躍する卒業生を輩出

  • 学費面のメリット

    • 国立中学として学費負担が私立より軽く、コストパフォーマンスが高い

  • 改善が求められる点

    • 校舎の老朽化やWi-Fi環境など設備面

    • 自主性を重視するゆえに、自己管理の苦手な生徒へのサポート

    • 部活動の活動頻度・成果にばらつきがある、いじめ対策のさらなる充実など


【Key Takeaways】

  1. 自由で自主性を重んじる校風
    生徒主体の活動が多く、のびのびと学べる環境。

  2. 高い学力水準と進学実績
    附属高校だけでなく難関私立・公立校へも一定数が進学。

  3. 国立ゆえの学費の低さ
    私立中学より負担が軽く、質の高い教育を低コストで受けられる。

  4. 多彩な行事・部活動
    運動会やテーマ研究など、生徒の成長を促すイベントが充実。

  5. 設備やサポート面での課題
    校舎の老朽化や通信環境など、改善が進められているが不十分との声も。

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