1. 基本情報
1-1. 概要
学校名:市川学園(中高一貫校)
所在地:千葉県市川市本北方二丁目
設置者:学校法人市川学園
創立:1937年(当初は男子校)
2003年:中学校男女共学化
2006年:高等学校男女共学化
2012年:ユネスコ・スクールに認定
2017年:創立80周年記念式典を挙行 [1][4]
特徴:千葉県内屈指の進学校であり、「第三教育」を掲げる独自の教育方針をもつ。
1-2. 教育理念
市川学園が掲げる3つの教育理念 [1][3][4]:
独自無双の人間観
人は唯一無二の存在であり、それぞれが素晴らしい個性と可能性を持つ。
よく見れば精神
生徒一人ひとりの特性を見極め、それを引き出し、成長させる。
第三教育
家庭教育(第一教育)や学校教育(第二教育)に加え、自ら学ぶ力を育む「第三教育」を重視。
これらの理念を基盤とし、生徒の自主性や個性を尊重しながら学び続ける力を育成することを目指している。
1-3. 沿革
1937年:市川中学校(旧制)として創立。
2003年:中学校が男女共学化。
2006年:高等学校が男女共学化。
2012年:ユネスコ・スクールに認定。
2017年:創立80周年記念式典を挙行 [1][4]。
1-4. 教育方針(リベラルアーツ教育)
市川学園ではリベラルアーツ教育を推進し、生徒の「5つの力」を育成することを目指している [3]。
教養力:広く深い知識を身につける。
学力:基礎学力と学び続ける力。
科学力:課題発見・解決能力。
国際力:多様性を理解し、世界で活躍する力。
人間力:主体性、協働性、社会性。
1-5. 生徒数
2024年5月1日時点 [2]
中学校:976名(男子608名、女子368名)
高等学校:1,268名(男子797名、女子471名)
総計:2,244名
1-6. アクセス
最寄り駅:
京成「鬼越駅」から徒歩約20~25分
JR「本八幡駅」・「市川大野駅」からバスで約11分
スクールバス:
JR「西船橋駅」から登下校時に直行バスを運行 [4]
1-7. 学校の特色(概要)
千葉県内トップクラスの進学実績を持つ進学校。
「第三教育」により生徒の自主性を育むことを重視。
国際交流や研修プログラムが豊富で、グローバルな視点を持つ人材を育成 [3][4]。
2. 学習環境と学力面
2-1. ICT活用と学習環境
ICT機器の導入:
中3~高3の生徒にiPadやSurface Proを配布。
ClassiやSchool Takt、Libryなどの学習アプリを活用。
アクティブ・ラーニング:
電子黒板やICT機器を使い、板書や解説時間を短縮。
生徒が議論やグループ作業に取り組む時間を確保。
施設の充実:
第三教育センター(図書館)や自習室は朝7時から利用可能。
高3は平日20時まで利用できる環境 [1][4]。
2-2. 学力と進学実績
偏差値(2025年度):73 [2]
千葉県でもトップクラスの水準。
基礎学力の強化:
中学では数学・英語の月例テストを実施し、指名制補習などで基礎力向上を図る [4]。
進学実績:
国内外の難関大学に多数合格。
「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」指定校として科学技術教育に注力 [3]。
課外活動との連携:
数学オリンピックや模擬裁判、科学の甲子園などを通じて論理的思考力や多面的視点を養う [1]。
2-3. 特色ある教育プログラム
海外研修:
イギリス、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなどで語学研修を実施。
グローバル教育:
海外の姉妹校との交流や国際理解を深めるプログラムを推進。
SSH指定校:
科学技術分野での研究活動や実験を重視したカリキュラムを展開 [3]。
3. 学校行事とクラブ活動
3-1. 学校行事
1年を通じて多彩な行事が行われ、生徒の学びや成長を促す機会が提供されている。
4月:入学式、新入生クラブ紹介、創立記念日、健康診断、保護者会
5月:生徒総会、防災訓練、中間考査、大町自然観察会(中1)
6月:芸術鑑賞会、生徒会役員改選、クラス懇談会
7月:夏期講習、SSH中間発表会、イートン研修(中3~高2希望者)
9月:文化祭(なずな祭)、中学体育大会、中3演劇祭
11月:修学旅行(中3はシンガポール、高2は沖縄)、宿泊研修(中2は奈良・京都)
12月:Thank The Yearコンサート、SSH中間発表会、模擬裁判(中3)
3月:学年末考査、SSH年度末報告会、ニュージーランド研修(中3~高1希望者)[1][4][8][9]
3-2. クラブ活動
運動部
硬式野球部、軟式野球部、卓球部、バスケットボール部、バレーボール部、剣道部
陸上競技部、硬式テニス部、水泳部(近日公開予定)、サッカー部、ラグビー部
ハンドボール部、スキー部(近日公開予定)、山岳部、相撲部(近日公開予定)
体操部、ソフトテニス部、応援部 など [2][11]
文化部・同好会
文化部:英語部、文芸部、生物部、化学部、物理部、写真部、社会部、美術部、音楽部、吹奏楽部、オーケストラ部、地学部、演劇部、書道部、軽音楽部、鉄道研究部、囲碁・将棋部、茶道部、調理部、数学部(近日公開予定)など
同好会:クイズ研究会、鹿島神流武道同好会、インターアクト同好会、ギター愛好会、かるた同好会、市川学園フィルハーモニー管弦楽団(近日公開予定)など [2][7][11]
活動の特色
部活動を通じて「感動」「達成感」「充実感」「友情」を育むことを重視。
SSH指定校として、科学系の部活動が活発でコンテストでの受賞実績も豊富 [3][7]。
4. 施設と設備
4-1. 学習施設
第三教育センター(図書館) [1][9]
蔵書数:約12万冊
開館時間:7:00~18:00
マルチメディアスペース:パソコン24台を設置
100席以上の閲覧スペース
ALICEメインルーム [1][9]
アクティブラーニング専用教室:電子黒板、プロジェクタ、大型ホワイトボード、Wi-Fi環境、タブレットPCなどを完備
360度カメラでのプレゼン動画撮影が可能
南館・北館 [1][9]
南館:24の一般教室、3つのALICEマルチルーム、5つの専門教室(技術室、書道室、音楽室など)
北館:35の一般教室、11の専門教室(美術室、地学室、家庭科室、物理室、化学室、生物室など)
すべての教室に無線LAN、プロジェクター、100インチスクリーン、高品質スピーカーを設置
4-2. 体育施設
総合グラウンド [1][9][13]
面積:16,136㎡
人工芝の多目的グラウンド(サッカー1面、ラグビー1面、フットサル6面など)
テニスコート4面、陸上競技場(100m走行6コース)
夜間照明完備
古賀記念アリーナ [1][9]
2200席の客席を備え、入学式・卒業式・講演会に利用
バスケットボール、バレーボール、柔道、剣道、卓球などの施設を完備
50周年記念館 [1][9]
屋上に25mプール(8コース)を設置
軽音楽練習室や小ホール、保健室なども併設
4-3. 文化・多目的施設
國枝記念国際ホール [1][9]
680席の多目的ホール(100人編成のオーケストラが可能)
300インチ大型スクリーンや高輝度プロジェクター、同時通訳ブースも設置可能
コミュニティープラザ [1][9]
校舎各館をつなぐ渡り廊下で、自然光を取り入れた空間
4-4. バリアフリー設計
校内はエレベーターやスロープを完備し、車椅子利用者も全施設へアクセス可能。
専用トイレも各館に設置 [1][9]。
5. 校風と雰囲気
5-1. 雰囲気
自由かつ自主性重視の校風:
フリースペースが多く、リラックスした中で学び・交流が可能 [1][3]。
帰国生の多さ:
全体の約15%が帰国生で、国際的視点や多様性が学校全体に良い影響を与えている [1][4]。
5-2. 校風の特徴
「第三教育」による自主自立と個性尊重 [3][4]
教師は「コーチ」として生徒の自主性をサポート。
自由な校則:
服装や持ち物の制限が少なく、生徒の自律性・責任感を育む [4]。
協力と切磋琢磨:
生徒同士が教え合い、助け合う文化が根付いており、勉強・課外活動双方で協働している [1][4]。
6. 入試情報と難易度
6-1. 中学校入試情報
試験日程(2025年度):
第1回試験:1月20日
第2回試験:2月4日
試験科目:国語・算数(各50分)、理科・社会(各40分)
募集人数:
第1回:男女計280名程度
第2回:男女計50名程度
偏差値(2024年度):
第1回:男子65、女子68
第2回:男子66、女子69(四谷大塚基準)
倍率(例):
第1回:男子約2.25倍、女子約2.99倍
第2回:男子約8.63倍、女子約12.60倍(少人数募集のため競争率が高い)
合格最低点(2024年度実績):
第1回:227点(4科合計)
第2回:285点(4科合計)
特徴:
算数は思考力・応用力を要する問題が多い。
理科・社会を含めた4科目均等型でバランスが重要 [1][3]。
6-2. 高等学校入試情報
試験日程(2025年度):1月17日
試験科目:国語、数学、英語(60分)、理科、社会(各50分)
募集人数:男女計90名(一般入試・帰国生入試含む)
偏差値:73(県内トップクラス) [2]
特徴:
英語はリスニングを含み、総合力を問われる。
5科目の総合力が求められる [3]。
6-3. 入試対策のポイント
基礎力の徹底:算数・数学の基礎技術をしっかり固める。
過去問演習:出題傾向や時間配分に慣れる。
理科・社会の強化:4科均等型のため、中学入試は特に重要。
英語力強化(高校入試):リスニングや長文読解対策を入念に。
7. 学費と経済面
7-1. 中学校の学費(初年度例)
入学金:330,000円
授業料(年額):420,000円
施設設備費(年額):180,000円
その他(学年諸経費など):126,000円
初年度納入金合計:1,086,000円
※制服・学校指定品、修学旅行費などは別途 [3][5]。
7-2. 高等学校の学費(初年度例)
入学時納付金:
入学金:280,000円
施設負担金:30,000円
生徒会入会金:1,000円
後援会入会金:3,000円
年間費用:
授業料:月額39,000円(年額468,000円)
施設整備・運営費:月額16,000円(年額192,000円)
生徒会費・後援会費:計月額2,800円(年額33,600円)
年間合計:約693,600円
初年度納入金合計:約1,204,000円 [1][7][13]
7-3. 奨学金制度
HKなずな奨学金 [4][6]
海外大学進学や特色ある研究・活動に挑戦する生徒が対象。
年額100~200万円(最大4年間)の支給や、留学・大会出場支援(5~20万円)など。
市川学園同窓会・後援会教育奨学金 [4]
経済的理由で就学が困難な生徒対象。
一人あたり10万円の支給(家計急変などが条件)。
8. 校内生活サポートと安全面
8-1. 校内生活サポート
食事サポート:
給食はなく、お弁当持参が基本。
校内売店や注文弁当(事前予約制)で補う。
通学サポート:
JR本八幡駅や西船橋駅からの路線バス・スクールバスが利用可。
自転車通学も許可制で認められている。
京成バス全線乗り放題の「CAN・BUS・LIFE」定期券(年間62,800円)を導入 [1][6]。
学習サポート:
補習・講習:中学の数学・英語での指名制補習や夏期講習。
自習環境:図書館は朝7時から開館し、高3は平日20時まで自習室が利用可能。
相談体制:
カウンセリング室に4名のカウンセラー常駐。
保健室には3名の養護教諭が配置 [6]。
8-2. 安全面の取り組み
防犯対策:
校内警備員の常駐、防犯カメラの設置など。
防災対策:
耐震設計の校舎、防災訓練の実施。
通学路の安全:
バスターミナル整備や自転車通学者への安全教育。
いじめ防止:
いじめ防止基本方針の策定と、問題発生時の迅速対応体制を整備 [5]。
9. 卒業生と社会とのつながり
9-1. 卒業生の活躍分野
学術分野:国内外の大学・研究機関で研究者として活躍。
ビジネス分野:起業家や企業経営者として成功例多数。
文化・芸術分野:俳優・作詞家・落語家などを輩出。
例:高橋英樹(俳優)、千家和也(作詞家) [9]。
スポーツ分野:オリンピック・全国大会出場アスリートも輩出 [4]。
9-2. 同窓会活動
キャリアセミナー:卒業生が在校生へ向けて進路や働き方をアドバイス [3][11]。
ホームカミングデイ:母校を訪れ、旧友や教職員との交流を深める機会 [13][15]。
地域貢献:市川市内での活動や支援を通じて地元とのつながりを強化 [4]。
9-3. 社会とのつながり
国際的な活動:
海外で研究・ビジネスを展開する卒業生が多く、グローバルな視野を持つ人材を育成。
地域社会への貢献:
ボランティアや教育支援などを通じて学園の理念を地域で実践 [5]。
10. 市川学園の特色とまとめ
10-1. 特色の総括
「第三教育」による自主性重視
家庭・学校にとどまらない主体的学びを強力にサポート。
国際性の高さ
帰国生が約15%在籍し、海外研修やグローバル教育が充実。
課外活動の幅広さ
部活動・同好会は運動系から文化系・科学系まで多彩。
SSH指定校として科学教育や研究発表も盛ん。
充実した施設と学習環境
ICTを活用した授業、広大なグラウンドや専門施設。
図書館やALICEメインルームなど、自主学習環境が整備。
安全面・サポート体制の確立
防犯・防災対策、カウンセリング体制、通学支援など安心して学べる仕組み。
10-2. 最終的なまとめ
市川学園は、自由な雰囲気と自主性を重んじる校風のもと、ICT活用やリベラルアーツ教育、国際教育、部活動など多角的な学びを提供する中高一貫校です。帰国生の多さやSSH指定校といった特性から、国内外で活躍できる人材を育成する環境が整備されています。さらに、奨学金制度やカウンセリング体制、防災・防犯対策などのサポートも充実しており、生徒が安心して学習と成長に専念できる仕組みが確立されています。卒業生は学術・ビジネス・文化・スポーツなど多方面で活躍しており、同窓会活動や地域貢献を通じて在校生や社会とのつながりを深めています。
こうした総合的な教育内容やサポートによって、市川学園は「第三教育」を体現する実践的な学びの場として、高い評価と人気を獲得していると言えます。