子供が大人になっていく場所、大人が子供に還っていく場所、キャンプ@唐泊VILLAGE
海の日連休、2泊3日でキャンプに行ってきた。
福岡市内から車で1時間以内、唐泊VILLAGEのオープンキャンプデイに参加した。長年、耕作放棄地となっていた土地が開拓され、昨年、グランピング施設としてオープンした。月に一度、キャンプ場としての利用が可能だ。家族みんなが大好きな場所、またの機会に詳しく紹介したい。
5歳の娘は、キャンプに行くたびにちょっぴり大人へと成長していく。
近くのテントのこども達に、一緒に遊ぼうと声をかけにいくのだ。
早々に巣立って行った娘にとり残された夫と私は、テント設営を終えると、大人ふたりで童心に還り、野外での遊びを楽しむ。
キャンプに行き始めた最初の頃は、「まだ〜?」と、テント設営の準備が終わるのを待っていた。しかし、キャンプの回を重ねるごとに、待っている時間がもったいないと思ったようだ。近くで遊んでいるこどもに声をかけて、仲間に入れてもらうようになった。
男女、年齢関係なく声をかけている。たくましい!同じ年頃の女の子どうしが集まった日には、小さな女子会が始まっていて微笑ましい。「何話してたの?」と聞くと、「大人には内緒!」とのこたえが帰ってくる。
新しい家族がやってきて、親がテントをはり出すと「一緒に遊ぼう」と声をかけにく行く。お父さん、お母さん達にも挨拶をして、一緒に遊び始める。
どこのキャンプ場でもできることではないと思う。子供だけで、目の届かない所へ行ってしまっては困る。家族だけの時間を過ごしたい人たちもいる。キャンプ場の作りと、その場の空気を読みながら、キャンプを楽しむことが必要となる。
姿が見えるところで遊んでね。
声が聞こえるところで遊んでね。
呼んだら返事してね。
と、いくつかの約束事をすると、こども達同士で声を掛け合っているのが聞こえる。「●●ちゃん、遠くへ行き過ぎるとママ達が見えなくなるよ」「ここから、あそこの木までの場所で鬼ごっこしよう」と。
ルールのある、自由な空間で、ひとり一人のリーダーシップが育まれていく。
キャンプ場を一つの村のように感じてくる。
そこにいる、こども達みんなが、みんなのこどものように感じられてくる。
誰かの家のこどもが、困っていたら、見かけた人が声をかける。
こども達には、初めての出会いの流儀もある。
まず自分の名を名乗り、学年を伝える。その上で、相手の名前、学年を教えてもらう。そのやりとりが終わると、もう友達だ。名前を呼び合い、走り出している。
こども、スゴイ。
キャンプ場が、新しい社会との出会いの場になっている。
キャンプに向かう車の中で「今日は誰か、来てるかな〜」と、キャンプ場で新しい出会いを楽しみにしている。
ひとりっ子の娘、行く先でその場を楽しむ術を身につけている。
テント設営を終えた夫と私は、童心に還り、自然の中で遊びを始める。
海に思いっきり飛び込んでみたり。
貝殻やシーグラス拾いに夢中になったり。探し出すと止まらない。
拾ってきた流木や枯れ木で焚火を組んだり。一番燃えるやつを探して競ったり。YouTubeを見て一度やってみたかったスウェーデントーチに火をつけてみたり。
テントと火の準備が終わると、娘に集合をかけて、みんなでご飯を食べる。
暮れていく空を見ながらカレーライスを頬張る。
夕飯後には、灯りを持って夜を駆け回る。
楽しかったキャンプの時間も、テント撤収を始めると終わりが近づく。
撤収時、いつもは一人で虫探しをしていた娘。
今回のキャンプでは、一人待つ間に、キャンプ場の移動に使わせてもらったゴルフカートの掃除を始めた。
一人で黙々と、中も外も拭きあげている。
「ありがとう」と声をかけると、「たくさん使ったから汚れてるね、きれいにして返さないとね」と。
キャンプに来ると、娘にアレしてコレして、ということはしない。娘が何したらいい?と聞いてくることもない。
自分たちが楽しいように、やりたいことをして過ごす。
その結果、娘はキャンプでちょっぴり大人になっていく。
私と夫は、キャンプでこどもに還っていく。
青空の下では、大人も子供も、どこの家の子でも誰でも、虫も草木も関係ない、一つの生命がそこに輝いている。