クリスマスイブに、一蘭のカウンターで、ラーメンを食べながら考えた家族のカタチ(放談)
お腹が空いてきた、無性に一蘭が食べたい。
昼ごはんに一蘭へ。
寒いからなのか、それとも、クリスマスイヴだからなのか、いつもお昼時には行列ができる店が空いていた。おかげで、久々のカウンター個室に案内された。カウンター個室は、3〜4人座れるカウンターが半個室のようなかたちで区切られている。小さな子ども連れには嬉しい席だ。
席に着くと、いつものように注文用紙を書き込み、店員さんに渡す。しばらく待っていると、3人分のラーメンが同じタイミングでやってくる。
ラーメンを待つ間、すでに腹ペコの3人の口数は少ない。ラーメンが目の前に現れると「いただきます」から、黙々とラーメンをすする。スープをひとくち飲んで「旨い」とつぶやき、また、ラーメンをすする。ただひたすらに、目の前に貼られている一蘭の歴史を読みながら視線を落とし、ラーメンを見る。そして、ラーメンをすする。
しあわせの瞬間だ。
個室でいき交う言葉は「旨い」「おいしい」「ああ、美味しい」の3つだけ。
余計な言葉はいらない。
ただただ、うまい。
ラーメンをすすりながら、ふと思う。
考えも価値観も合わないと、近年衝突ばかりしてきた我ら夫婦も、この一蘭のラーメンを食べているときだけは、心一つと感じることができる。
カウンターに座り、家族3人が同じ景色を眺める。
一つ屋根の下に暮らす家族とて、生きる環世界は違うと言うけれど、「ラーメンうまい」とつぶやいては、黙々とラーメンをすすっている瞬間は、同じ世界を生きている気がした。
カウンターが好きだ。
相手を見るんじゃない。相手と同じ景色が見たいんだ。夫との初デートを思い出す。食事の店を予約してくれるという夫から
「どんなお店がいいですか?」と聞かれ「カウンターでお願いします」と答えた。
初めて一緒に行ったお店は、焼き鳥屋のカウンターだった。イメージ通りの店で嬉しかった。
カウンターに並んで座る。
それが、私たち二人の自然なカタチなのかもしれない。いや、ちがう。
私が好きな人とのカタチ。
共に体験し、分かち合いたい。
今年もわが家の家族のカタチは、きれいな丸でもなく、ボッコボコに凹んだ1年間だったけど、一蘭のカウンターでラーメンを食べながら、少しずつ前に転がっていくヒントを得た気がする。
黙々とラーメンを食べながら、そんなことを考えたクリスマスイヴ。
知らんけど。