【正しい道より、楽しい道を。最短距離より、寄り道を楽しんで。】
好きな人に会いに行く。好きな場所に行く。
バスを待つ間、電車を待つ間、車を走らせる間、あなたは何を思うだろうか。
午前中の自動車学校を終え、電車とバスを乗り継いで、大好きな唐泊VILLAGEキャンプ場へ行く。
会社を辞めて、「やりたいことをやる期間」である今、「キャンプの良さを伝えたい!」とキャンプ媒体のライターに応募した。大好きなキャンプ場の記事を書くチャンスをいただけたことが嬉しくて嬉しくて。勢いに任せて記事を書いてはみたが、前回11月にキャンプに訪れて、少し時間が経ったように感じていた。もう一度、ホットな気持ちで記事を書きたい、改めて写真も撮りたい。何より、そろそろあのキャンプ場に行きたい、スタッフさんにも会いたい。記事の内容確認や写真のやり取りは、メールで事足りるのだが、何かと理由をつけてキャンプ場に行くことにした。
今日はキャンプじゃない。夫の車ではなく、一人で電車とバスを乗り継いでキャンプ場を目指す。この道中で感じたことを書いておきたい。
電車やバスを待つ間、電車やバスに揺られる間、湧き起こってくる感情。人や場所を恋しく思う気持ち、過去の写真を見て懐かしく思ったり。目的地に着くまでの約一時間が、私にとってすごく大切な時間に感じられた。
ちょっと前の私なら、目的地には最短距離で到着したい!移動に時間かけるなんて無駄!待ち時間なんて無駄!何も生み出さない時間なんて無駄!そう思っていたし、口にしていた。そうやって、本当に私にとって大切なものや時間を捨ててきたのだ。今日のキャンプ場への旅路は、私にとって大切なものを思い出させてくれた。
約束の13時に間に合うようにと、ちょっと早目の11時半頃に家を出た。時間に余裕があるので、電車からバスへの乗継の際、おやつを買った。水筒に入れてきたホット珈琲とチョコをお供に、約20分のバスの旅。
路線バスはトロトロとゆっくり海沿いを走る。窓が大きくて、速度が遅いせいか、いつもの車から見える景色よりも視界が広く感じる。
バスに揺られて、景色を眺める。各駅停車の電車を乗継ぎ、バスに乗り換える。寄り道しながら、外の景色を楽しむ。キャンプ場という目的地に向かいながらも、目に映る景色のひとコマひとコマに寄り道しているかのように。何か面白いものないかなぁ〜の目で外を眺める。
この、ゴール到着に向けての最短距離走行では、生み出されることのない寄り道を楽しむ感情が、私の幸せの源泉なのではないか。心がウキウキワクワク。胸が躍るとは、こんな感じだろう、を体感した。
同じ空を眺め、陽射しを浴び、風を感じる。「なんて気持ちがいい所なんだ〜」と共感することができる。
オンラインでの面談やミーティング、メール業務で、自分の時間を埋め尽くしていた日々があった。いかにして目的地へ最短距離でたどり着くかを、いつもいつも考えていた。いくつものゴールを一気に追いかけながら、寄り道の楽しさや、旅のお供を選んだりする楽しさを忘れてしまっていた。
私はこうして、寄り道を楽しみたかったんだ。人やコト、場所に想いを馳せる時間は、私にとって無駄ではなく、大切な時間なんだ。
ドキドキワクワクのキャンプ場取材を終えて、帰路につく。
一時間に一本のバスを待つ。ここでもたっぷり時間がある。おやつと珈琲をお供に、noteをザクザクと書く。オンライン業務な毎日では、得ることができなかった何とも無駄な時間。この時間が愛おしい。
正しい道より、楽しい道を。最短距離より、寄り道を楽しんで。
これからの私は、これで生きていく。