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今日から如月、梅の花。

如月は一般に「きさらぎ」と呼びますが、本来の如月(にょげつ)は、寒い冬が終わり春に向かって万物が動き始める時期という意味だそうです。季節の便りで梅の開花がチラホラ聞かれるようになり、今年はとくに暖かいので間もなくそこかしこで紅梅や白梅が観れることでしょう。

梅の花は木々の中で一番先に花が咲くといわれています。雪をかぶった梅の花などはまさしく絵になります。わたしは梅といえば梅干しや梅酒を思い浮かべますが、風情として「梅の花」の匂い立つような趣きとか、梅花の凛とした健気さに、ようしやるぞといった勇気をもらえる気がしてます。

雪の冷たさにたじろぐことなく、率先して先陣をきる梅の花の潔さ。カッケーと言わざるを得ません。わたしのようにグズグズして腰を上げるのが遅い者にとって梅はあこがれでもあります。
もう勝手に「梅ちゃん」と呼んで友だちになりたいぐらいです。

永平寺を開かれた道元禅師も梅花がお好きだったようです。宗派のご詠歌が「梅花流」なのもそうした由縁でしょう。わたしは下手くそすぎてご詠歌はからきしですが、禅師さまの和歌にはジーンときます。

水鳥の行くも帰るも跡たえて されども路は忘れざりけり

永平寺御開山 道元禅師

この歌をわたしが一番先に目にしたのは、おそらく西国三十三所のご詠歌本の中に載っていたのが初めだとおもいます。「越前の国、道元禅師の御詠歌に~」ではじまる節回しが耳に残っています。わたしの田舎ではお盆や49日法要のあと家族でお唱えしていました。

この水鳥はおそらく渡り鳥でしょう。飛び立った後に残る静寂の中で、毎年忘れずに帰ってくる鳥たちの路は、そのまま人々の一年の暮らしのサイクルと相まって、感慨深いものがあります。

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり

道元禅師

道元禅師のこの和歌は、もっとも有名かもしれません。花鳥風月を歌ったように見えますが、その実は「あるがまま」であり、まさしく実感をあらわしているように受け止めております。

なにはともあれ、今日から二月です。正月元日に起きた能登半島地震から一ヶ月経ちました。被災地の人々に思いを寄せ、今更ながら胸が痛みます。
能登にも、梅の花の蕾は、たしかに膨らんでいることでしょう。
「北陸、石川、能登、がんばれ、がんばれ、がんばれ

紅梅の老木

今日の言葉はシンプルに「梅の花」です。

梅の花 (水)
梅小僧

きょうもご覧いただきありがとうございます。
一日一記事 念水庵


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