見出し画像

禅の道(99)自らを愛し敬う

「いのち」を大切にする日々の歩み

今朝、目が覚めたときにふと浮かんだ言葉があります。道元禅師が「自らも愛すべし、自らも敬うべし」と説かれた一節です。普段の生活のなかで、多くの人は自分よりも他人や外側の出来事に気を取られてしまいがちです。しかし、私たちはまず自分自身の尊厳と価値を見つめ、愛し、敬うことが大切なのではないでしょうか。


「いのち」を尊ぶ

禅の道を歩むということは、地道な修行の積み重ねです。その過程で私たちは「いのち」というかけがえのない尊い存在を見つめ直す機会をいただきます。自分が今ここに生きていること、呼吸をしていること、そのすべてが貴重であり、奇跡の積み重ねです。

だからこそ、まずは自分という存在を慈しむ気持ちを大切にしたいものです。誰かのために行動することは尊いことですが、その前に自分自身を大切にできなければ、周囲への優しさも長続きしません。道元禅師の教えは、自分自身に向けられる敬いや愛情が、やがて他の人や社会へと広がっていく道筋を示しているようにも思えます。


子どもたちの「いのち」を守りたい

今の日本では、子どもたちの自殺が増えているという残念なニュースを耳にします。これは、私たち大人にとって、非常に重く考えなければならない問題です。なぜ生きることに希望を持てなくなってしまう子どもがいるのか。その背景には、学校の環境、家庭の事情、友人関係、SNSの普及による情報過多など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていることでしょう。

しかし、どのような状況であっても、いのちはかけがえのない存在です。大人の一人ひとりが、子どもたちの心の声に耳を傾け、「あなたは大切な存在なのだ」というメッセージを伝え続けることが必要です。それは決して難しいことではありません。ちょっとした挨拶や対話から始まる、小さな積み重ねが子どもたちの心を少しずつ照らしていきます。


何を為すべきか

私自身、この「いのち」に向き合う姿勢を忘れないためにも、禅の教えを日常で実践しながら、これからの人生で何ができるかを問い続けたいと感じています。「自分を愛し敬う」という基本に立ち返り、そのうえで、家族や友人、そして地域社会に向けて、自分にできることを見つけていく。子どもたちにとって少しでも安心を感じられる環境づくりに貢献できればと願っています。

私たちは一人では生きられない存在です。だからこそ、他者の尊厳を大切にするために、自らのいのちを大切にし、自らを愛し、敬い、日々を丁寧に過ごしたいと思います。それが周囲への尊重や思いやりへとつながり、ひいては子どもたちの明るい未来を築く力になるのではないでしょうか。


「自分を愛するなんて、わがままなのでは?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、自分自身をいたわり、休息を与え、心身のケアをすることは、実は周りの人のためにもなるのです。まずは朝、目が覚めたときに、自分を穏やかな気持ちで抱きしめるように想いを寄せてみる。小さな一歩でも、そこからやがて大きな連鎖が生まれていくかもしれません。

「いのち」は何よりも尊いものです。だからこそ、一人ひとりが自分の尊厳を忘れずに、次の世代へとつなげていける社会を築いていきたいですね。

誰よりも自身を愛す
LOVE MYSELF!


若いころ、吉田拓郎さんの「僕一人」という歌をよく口ずさみました。今でもあんまり変わっていません。なつかし過ぎます。


いいなと思ったら応援しよう!