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料理に込める思い

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料理とは、料理を作るその人そのものです。言いきります。どんな食材や道具を選んで、どんな料理を作り、提供できるのか。人の心に訴えかけるような感動的な料理に、しばしば出会うことがあります。感動的な料理には、その料理の中にストーリーや情景、料理人が必ず見えてきます。味はもちろん大事ですが、あくまでそれは結果です。美味しい料理には、美味しい理由があります。人が美味しいと感じるのは舌ではなく、脳であり、心です。だからこそ、私はいつもお客様はどのような方なのかを考えます。性別や年代だけでなく、どのような家族構成で、どのようなシチュエーションであるのか。そいて、それぞれに合わせて料理を変えていきます。誰かのために美味しいと思ってもらえる料理を作るという事は、誰かの立場にたって一生懸命考え、一生懸命仕込み、丁寧に仕事をするということが必然になってきます。勿論、選ぶ食材や道具にも妥協はなくなるはずです。技術もしっかりと進歩しようと思う筈です。その結果として、その人にとって喜んで頂ける料理がお客様に運ばれてくるでしょう。素晴らしい人たちとの出会いを通してより人としての所業を磨く。それが、私にとって最も料理を作る上で大事にしていることなのです。

(2014.8.19公開)

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