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交流の事

 他派との交流というと久しくしてこなかったことで、中でも八卦掌のというとことになれば国内ではほぼ皆無といってよかった。この度は友人の落合氏の紹介で尹派の方々と交流がかなうことになった。とても優しく見識の深い方々で終始和やかな雰囲気でお話を伺い、技を体験しお互いに身に着けたものを出すことができた。八卦掌というのは面白い門派で、外形上の特徴はかなり違うのに、たとえ他派といえども同じものを練っているという感覚がしっかりあった。その核心的な力の使い方や、身法に裏付けられた歩法の妙は確かに自分を魅了してやまないものだと改めて感じた。
 最初にお会いしてからほぼ間を置かず、今度は茨城の稽古会に遊びに来ないかという話をいただき、どうしても我慢できず遊びに行ってしまった。横浜からだと小旅行のような趣だったが、それも夏のイベントとしては十分に楽しかった。S先生の身につけた技術の数々はどれも鮮やかで、それを確実に後世に伝えようとする姿勢には頭が下がる思いだった。門弟の方々も確かな功の厚さをもっており、改めて自分の練習を見直す機会となった。
 中国行を前にして自分の武術家としてのフィーリングを高めることができ、また同じ道を志す人々との出会いは、これからの行く末に勇気をもらったといってよい。
 

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