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死に直面したらマンガとゲームを辞めた
僕は周りからよく「現実的な性格だね」と言われます。もしかしたら、感じの悪い印象を持たれているかもしれません。
マンガやアニメを観ることがほとんどなく、ゲームもせず、テレビもそうですがドラマも観なくなったことから、その手の話に加わることができません。
昔はTSUTAYAにDVDを借りに行って映画を観る習慣がありましたが、コロナ渦で外出をしなくなり、その間に動画をサブスクで観る流行りにも乗り遅れ、映画さえも観ることが減ってきてしまいました。
そんな僕も昔はよくマンガを読んでおり、貴重な休みを一日中マンガを読むだけで終えてしまったことがよくありました。高校を入学する頃くらいまではゲームもよくやっていましたし、もちろんテレビも毎日観ていた記憶があります。
しかし、23歳の頃に胃がんに罹ってから、その生活がガラッと変わることとなります。
マンガではなく活字の本を読むようになり、テレビやドラマを観るのではなく、行ったことのない場所に旅行に出かけるようになりました。
仕事をして、本を読み、時間ができたら旅行に行く。それが長年の基本的なルーティーンです。
これは、胃を全摘出する手術の前日に、短い自分の人生を振り返って思った「明日の手術がうまくいかなかったら死ぬかもしれない」という気持ちが強く影響しています。
病室で「人生経験が乏しかった」と思い、強く後悔をしたのです。「このまま人生が終わるかもしれないのか」そう思っていました。
だから、無事に生き延びることができたら、その時はとにかく後悔しないようたくさんのことを経験すると決意して手術に臨みました。
当時は海外にも行ったことがなく、日本各地にも行ったことがないところだらけで、ほとんどを東京で過ごしていました。学生の頃などは時間があり余っていたにも関わらず、東京でバンド活動ばかりして、家ではマンガを読んだりテレビを観たりしていた生活を、非常にもったいなく感じたのです。
こうして、もっと「現実の世界」を体感したいと渇望したことが、マンガやゲームを手放すことになった原因です。活字の本の方が世界を知るうえで情報が多く、主体的に本を読み進めることから自分と向き合うこともできるため、自然と活字本ばかり読むようになりました。旅をすることで自分が知らない世界を知ることになり、読書で得た知識と繋がっていくことで、より一層世界を知ることになります。
死を目の前にすることで、自分が現実の世界をどう生きたいのかが明確になるのだと思います。
人生は短く時間は有限なので、僕の場合は、仕事をして、本を読んで、旅をすることにプライオリティを置くしかないようです。もちろん、マンガやゲームにプライオリティを置く人はそれに全力を注ぐのがベストです。
スティーブ・ジョブズも死を意識したことで、自分のやりたいことが明確になったと言っています。
人生を左右する分かれ道を選ぶとき、一番頼りになるのは、いつかは死ぬ身だと知っていることだと私は思います。
ほとんどのことが(周囲の期待、プライド、ばつの悪い思いや失敗の恐怖など)そういうものがすべて、死に直面するとどこかに行ってしまい、本当に大事なことだけが残るからです。自分はいつか死ぬという意識があれば、なにかを失うと心配する落とし穴にはまらずにすむのです。
人とは脆弱なものです。自分の心に従わない理由などありません。
スティーブ・ジョブズ
そんなこんなで、周りと話が合わなくなろうが、マンガもゲームもやらなくなってしまったのです。