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高騰する国内旅行費とデフレ世代|それでも旅する人生を
最近は国内旅行に対してネガティブなニュースが多い気がしている。物価高による宿泊費高騰とインバウンドによるオーバーツーリズムが原因らしい。
以前、若者の海外離れについて書いたことがあるが、こうして国内旅行のニュースまでネガティブだと「日本人はそもそも出掛けない民族なのでは?」とすら思ってしまう。
ここ最近の日本は遂にデフレを脱却し始め、スーパーに行ってもコンビニに行っても、自動販売機を使ってみても「物価が上がった」と感じてしまうことが増えた。インフレの時代に突入したのである。
それでいて賃金が上がった実感がまだないのであれば、確かにネガティブになってしまうのもわかる。
何より、僕も含めた30代より若い世代の日本人はバブルがはじけた後に生まれているので、今までの人生でデフレしか経験したことがない。だからインフレの時代をどの様なマインドで生きればいいかわからないのだ。
現代は自宅に居ながら、快適にNETFLIXやYouTubeを観て過ごしていられる。そんな時代にわざわざ高い金を支払って旅なんかしたくないという気持ちはわからなくもない。
しかし、それでも敢えて言いたい。絶対に旅行は行ったほうがいい。別に豪華な旅行をして旅行業界の経済を回そうとか、観光地にお金を落とそうとか、そういうことではなく、シンプルに旅をすることで得られることがたくさんあるからだ。
今までに行ったことがない都道府県や自治体があるとして、一度でもそこを訪れるとその土地の知識やイメージを持つことになる。そうすると、その後にニュースや天気予報、ドラマなどで話題に挙がった時に、具体的なイメージができるようになる。
そして、その土地の産業からその土地に住む人々まで、今までとは異なる血の通ったイメージができ、自分の脳内で世の中が具体的に形成されるのだ。
僕は若くて時間のあった学生時代のほとんどの時期を東京で過ごしてしまった。あまり旅行には出掛けずに都内のライブハウスやスタジオでバンドばっかりやっていたのだ。
そのまま大学を卒業して就職したすぐ後、がんになって死に掛けた経験がある。病床で「世界は広いのに、今までの人生をずっと東京で過ごしてしまった。」と後悔したことを強く覚えている。
だから今でも隙さえあればどこかに出かけるよう意識をしている。今年も年始の休みを利用して、今まで行ったことがなかった北陸を旅することができた。キリがないのはわかっているが、人生に後悔を残したくはないだろう。
また、こうしてたくさん旅をしていると、贅沢をせずに旅する方法を学ぶようになる。上述の記事では星野リゾートを例に宿泊費高騰が書かれているが、別に星野リゾート以外にもっと安いホテルはたくさん存在する。
シンプルなビジネスホテルに宿泊しても良いし、古民家を改修したゲストハウスに宿泊しても良い。ふるさと納税を利用して旅行する人だっている。僕は過去にマイナポイントをSuicaのポイントに還元させ、そのポイントを使って在来線で四国まで行ったことがある。染み付いたデフレマインドは、賢く節約に活かしていこう。
だから、海外旅行と同様に、日本人はもっと国内旅行を楽しんだ方がいい。非日常を過ごしながら、自分の国に詳しくなれる。国内旅行は良いこと尽くしだと思う。